リラクゼーション?
「終わったかのう。」
学園長は結界が切れたのを見計らって入ってきた。何故か少々やつれ気味のようで顔が痩せ掛けていた。この数十分の間に何があったのだろうか。
「ああ、終わったぜ。」
何事も無かったかのようにスルー。これは酷い対応だ。
「それは何よりじゃ。とりあえず今日の授業はもう良いのでデモンストレーションを行なってもらってよいかのう。」
「デモンストレーション?」
生徒会長であるローラも詳しくは聞かされていないらしく疑問の表情を浮かべながらも時間割を思い出そうとしていた。
「時間割は変更しておらんからのう。知らぬのは当然だぞい。」
自分の努力が無駄になったことを気にしつつ。授業に変更が無いことに疑問に思った。この学園は便宜上王都民以外は全寮制となっている学校であるが故にデモンストレーションとはいえすべての生徒が見るわけではない、その時間を趣味に使いたいと思う者もいるだろう。言伝ではあるがロレンの行った授業はトラウマものであったと聞いている。現に精神を壊す寸前だった生徒がいたほどだ。だからこそ、プロ冒険者に対する恐怖を払拭するには全員に見せる必要があるのではないかとローラは思った。
「それですと意味がないのでは?」
「だいじょうぶじゃよ。国で生中継してもらうからのう。題目はプロ冒険者たちにしかできないことじゃよ。レナ君にも手伝ってもらうしのう。憧れとかけ離れすぎた実力を知らしめてもらおうかのう。Ho,Ho,Ho,Ho.」
この学園長は地獄の公爵といった感じの声音で笑っていた。
「学園長、それ親父も居るだろ。」
何かを察したロレンは父が来ると思った。
「さすがよのう。極仙と詠われた最恐の称号を欲しいままにしただけはあるのう。」
「サヒフとチヤガでの二つ名も知ってるとはな。歴代最強将軍様。」
二人から圧力が発せられている。肌がピリつき、髪が舞い、空気が振動し視界が揺れる。
「学園長、ロレンさん。こんなところで威圧をふりまかないでください。他の生徒たちじゃあ耐えられないじゃないでしょう。」
ローラは威圧だけに思ったのか二人が行っていた行為に気づいていなかった。
「ほっほっほ、ローラ君もプロ冒険者を目指すにはまだまだよのう。」
「フハハハハ、それは言えているな。」
制空圏を即座に気づき上げそこからできる攻撃をイメージする。将棋の駒のように一手一手を選択し相手の攻撃に合わせ対応する軌道線上イメージ攻防、それを数百回繰り返された。それが見えていなかったのだから多々威圧し合っているように見えた。そして、実際に行われた戦闘は5回。
「ローラもまだまだ。」
「ルシフェルさん。あとで何があったか教えてください。」
ローラは何が行われていたかをルシフェルから聞き、それを恥ずかしがりながらも噛み締めていた。
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