閑話ユウイチ

ユウイチ・シンキョウ

彼は紛うことなき転生者である。

前世の名は菅野 優一

生まれた元号は令和の3つ先という設定。ギリギリ青いたぬきが生まれているか生まれていないかあたり。

某有名大学院の工学部建築学科卒

工業高校の課題研究(所謂大学の卒業論文みたいなもので無い学校もある。大抵は電気科だと家電作ったりして終わる。情報通信科の場合はラズベリーパイという当時のNAS○にハッキング出来たソフトを使ってプログラミングをする。後は知らない。)で自作プラモデルスキャン型ゲームとそれとスキャナーを一から作り研究の後半には実際にプレイして遊んで先生に怒られるという過去を持つ。ここでいう一からとはプログラミングだけでは無い複数の抵抗器(赤赤茶金のような)を合わせゲーム機本体を自力で作っていた。この時点で解るがゲームとロボット好きである。


さらに大学の卒業論文は人工脳によるコンピュータ理論を応用した施設の開発するに当たっての人工脳にダメージを与えないように保管するにあたって考えられる建築方式をまとめたものを出した。(脳はコンピュータよりも少ない電力でかなりの量を記録できるため応用できないかという研究がある。それが実現すれば従来のコンピュータの何倍もの省エネを実現できる。ただし脳は日本豆腐のように柔らかいため。運んだりするのには細心の注意が必要でサイズが大きくなれば地震などでも崩れる可能性がある。)


無論工業高校のジュニアマイスター制度(資格取得の評価制度で大学進学にも役に立つ。あくまでも高校のみを対象とした制度である)においては言うまでも無い。経済産業大臣賞に推薦されるくらい取った男である。


彼は電気施工会社に就職後、電験3種を取り独立、その後は自営業で得た金を使ってリアル過ぎるコクピットを作りあまりにリアルに作り過ぎてコンピュータが処理し切れずオーバーヒートして火災が発生それに巻き込まれ死亡。


独身のまま生涯を終える。


そしてシンキョウ家に生を受ける。

彼は当初は《ゴーレムの祝福》が良かったと嘆いていたが《スライムの祝福》を授かりある結論に至る。エスアール対戦の常連客に原作ではロボットでは無いものがいた。原作はこう綴られている人造人間と。


つまりだ。細胞を使って一から作れんじゃね。と彼は思ったわけだ。しかしそれは困難を極めた。ゲノムを見るにも機械が足りない。金属加工の分野はユウイチの専門外であった。故に様々なスライムを見つけ研究し始めた。その際顕微鏡を作り菌がいることを知る。


そんな最中あるスライムを見つけた。金属のボディのスライム達である。


彼はその自由自在なものさえあれば型を作るのにさほど時間はかからなかった。


だが問題が発生した。動かす際の摩擦熱が多すぎるのである。その為に彼は未だ感知できない魔力について調べた。


そしてその変換可能区域の広さから問題をクリアした。


そして彼はこの世界についてある結論に至る。地球の遠い未来の現状がこの世界ではないかということだ。菌が存在した。それこそがユウイチの証明するにふさわしい理由だ。皆さんは麒麟という動物の進化の過程におけるある1つの説をご存知だろうか。


ウイルス進化説

ウイルス感染によって種全体がかかってしまいゲノムに大きな影響を及ぼし進化を促す。それはゲノムを変化させるために子孫は必ず進化した個体が生まれる。麒麟の元の姿とされる首の短い個体がいない理由もこれが有力とされる。


ではなぜ菌が存在することと関係があるのか。それはスライムを除いて進化したものは原種が存在しなければわからなかったかもしれないがスライムと菌、そして人間という種が揃うことでわかってしまったのだ。


元来ウイルス進化説においても菌はその数の多さから原種が残る。ユウイチはその名残足る菌の数々を見つけている。この度のウイルス進化は明らかに魔力が関係していると捉えられる。


しかし、人間が魔力を感知できていない、もしくは感知しづらい。では何故か理由は簡単だ。人は魔力というモノをた。


かつて人は魔力を信じ信仰した。だが信仰は聖人達によって切り替えられた。故に魔力を望まなくなった。未だ残っている精霊信仰などが僅かにあるくらいだ。


その魔力が実在するというのに人間は使えない。つまり元々魔力に対する耐性が聖人達によって備えられていたと考えるのが納得が行く。


だからウイルス進化、否魔力進化には適応されなかった。だがユウイチの理論は未だに証明し切れていない部分がある。魔力の証明だ。ユウイチの技術ではそれを見るどころかウイルスを見るにまで至っていない。


そんな結論を出した彼は今現在、歴史の証明とかの結論の証明を見ていた。


(アレは葉緑体が入っている。ということは植物のゲノムに変化させたのか。)


チェシルが自分の身体を変化させた。


(俺たちとは明らかに違う。こいつは卵細胞化か。でも叡智の主人達の書物から察するにIPS系だと考える方が無難。だが生物細胞と植物細胞では構造が大きく異なる。そこからできるやり方が異なるのか?謎が深まる。)


さらにレナとロレンは業魔をした。


(何、業魔。ということは俺と同じ前世の記憶か、いや違うロレンはここに来るまでの記憶が無かった聞く。記憶が戻った弾みで最も印象に残っている人物を模したものと考えるのが筋が通る。)


現にファニの業魔は行なっていないためまだ人生を完全には決め切れていないのだろう。


レナに関してはロレン大好き人間のため主婦と考えていた。ブラコンは人生を決めるのも早いのだ。


そして更なる驚きがユウイチを襲った。


(成長した!?俺が習得したのは20代だったが年を取ったりはしなかった。ということは精神に身体が引っ張られたわけではないのか。しかしマキナスライムは金属体、ロレン達のような純粋な生物としての細胞の身体ではない。検証しないことにはわからないが、身体は文字通り成長している。しかも両方美人と言えるくらいになっているし身体的特徴もロレンは筋肉がやや多めのユウゾウのような体型、レナはアンネさんと同じようでありながらも筋肉が若干付いていることから強制的な成長ではなく理想を実現させようとして成ったが優勢か。)


ユウイチはもはや疑問だらけである。彼の思考はもはや検証すべきことで、頭がいっぱいだった。


ユウイチの思考について補足をあげると肉体が精神に引っ張られるというのは例えば筋肉をつけるときにゴリマッチョをイメージした人と細マッチョをイメージした人では終わったときのつき方がまるで違うということが実験されており現実にもありえる行為である。


ユウイチの憶測は現状理解できるものではなかった。だからこそ彼はいまこの瞬間を調べることのできる設備を整え、次代に渡そうと決心した。

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