叔父さん現る!

そして当日ロレンはウキウキしすぎて朝日が昇る1時間も前に起きていた。


ちなみにアールブの襲撃のあった日から三日間はロレンはレナに抱きついて寝ていた。さすがに母がクセになってはいけないと辞めさせたが。


(謎の声S:これはある意味マザコンを阻止する嫁の逆版、嫁を大好き過ぎる息子を引き離そうとする母の嫉妬か!)


現在ロレンはチェシルを枕にファニをクッションにして寝転がっていた。どちらも冷たく凍らない冷たい枕の感触に近いため気持ち良さそうである。


しかし暇なので外に出てみることにした。


ファニを肩、チェシルを頭従えて牧場の外周を探索してみる。


探索してしばらく岩石などが多い沢の近くに来ると光っている場所があり見慣れない人が居た。なにやら様々な色の金属光沢のあるゴーレム?を複数体従えて指示をしている。ゴーレムはこの辺りでは礫岩ゴーレムか泥岩ゴーレムしか見ないのでロレンはよく知らない。


「3番そこの岩どかせ1と2はその大きな岩下ろしてこい。」


なにやらゴーレムに細かい指示をしている。


するとゴーレムのうち一体がこちらに近づいてきた。


「ここは現在、土砂崩れの防災工事中ですので御通りの際は申し立て下さい。こちらで対応します。」


「喋った!」


「喋るモンスターは初めてでしたか。」


「うんうん。姉さんのラルとかなら見たことあるよ。」


「ラル、ビアンカさんの相棒ですね。そして姉さんということは貴方はロレンさんですね。」


「なんで知ってるの?」


「私の主人が貴方の叔父だからです。」


「でも叔父さんはスライムの主人じゃないの?」


今目の前にいるモンスターはどう見てもゴーレムにしか見えなかった。


「ふふふ、確かに見た目はそうかも知れませんがこのようにちゃんとしたメタルスライムですよ。」


するとゴーレムの身体が溶けてまん丸のスライムに生まれ変わった。そのスライムボディには所々に様々な金属が混じっていた。


「うわあスライムになった。」


ツンツン


「人に断りを入れず触るのはよくないですよ。」


突然スライムボディが振動し声となって説教をしてきた。


「ごめんなさい。」


「うんよろしい。」


何処と無く人間くさいスライムである。


「おい0、2が変わるからお前がこっち来い。」


暫定ユウイチが声をかける。


「はい。では変わりの者が来ます。失礼します。」


「うんまたね。」


「おっしゃあいくぞ。[業魔・万能魔導工具]」


0は光に包まれ全長1メートルのドリルになった。


バキッドンガラガッシャーン


「よし、砕けた奴でダム作れ!」


何というか業魔を使っただけでも驚きなのにそれの使い方がしょうもなさすぎて口をあんぐり開けたロレンであった。


「よし、工事終了。全員休憩入りな。」


「主君、どうやらロレン殿がいらしたようです。」


「今行く。」


するとドカドカと歩いてこちら向かってきた。


「ほう、君がロレン君が。そちらの小さい方がファニというスライムかな。大きな方は聞いていないが新しく相棒にしたのかい?」


作業のときとのギャップがかなりある人であった。


「うん、僕ロレン。こんにちは。チェシルは最近仲間にしたんだ。」


「そうかそうか。チェシルというのか良いスライムだね。」


「うんありがとう。ところでおじさん誰?」


「すまない自己紹介がまだだったな私の名はユウイチ・シンキョウ、君の父ユウゾウのお兄ちゃんだ。」


「ええとユウイチ叔父さん。よろしく!」


「ああ宜しく。」


そう言い握手する2人。


「質問したいことも色々あるだろうがユウゾウの家、君のお家に行ってからにしよう。」


「うん。」


「よしお前らいくぞ。ロレン君や肩車して連れてってあげよう。」


そう言いロレンをファニとチェシルごと軽々持ち上げるとゴーレム達と光っている物体がスライムになり一緒にスタコラさっさと家に向かっていった。



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