転生TSエルフ娘の日常(カクヨム版)

@rotlowe

1-1章 追い出されたエルフ娘

1.事の始まり

ガタゴトと揺れる馬車の中で、私の胸がプルンプルンと震動する。

胸は、服が裂けそうになるほどにパッツンパッツンになっており揺れて擦れる度に先端が刺激され、くっきりと形が分かるようになってしまっている。


何とか腕を組んで隠しているものの乗り合わせている男性客の視線が集中してしまい居心地が悪い。


私は、昨日まで貧乳だったのに何故か一夜にして巨乳になっていた。

服が体に合っていないのもそのせいだ。


100年女をやっていて大きい胸に憧れていたけれど、いざ巨乳になってみると不便なことが多そうだと思った。

今までと違いジロジロ見られるのに慣れないし、体を動かすのにも支障が出そうだ。


・・・ん?

100歳の御婆さんの胸の話など聞きたくないって?


勘違いしないで欲しい。

私はエルフで100歳は、人間でいうと10歳相当になる

もっとも外見年齢は17歳ほどの金髪碧眼の美少女だけどね

美少女と言っても人間から見てといったところでエルフの中では、中の下くらいだったかな?


ゴトン!


「ひゃぁ!」


石を踏んだのか一際大きな震動が馬車を揺らし私の胸も『ばるんっ!』と跳ねた。

男性客は、小さくガッツポーズをし女性客からは、舌打ちが聞こえた。


やはり、居心地が悪い。

何でこんな事になってしまったのだろう?




◆◇◆◇




私、スティファニーは転生者だ。


転生前は、男性で隠れ女装家だった。

とにかく女性が羨ましかった。

長い髪、オシャレな服を見る度に嫉妬した。

とは言え、性同一性障害というほどでもなく社会的な立場もあり表向きには普通の男性として生きていたんだ。


ある日、いい加減いい年齢になったので最後の女装にしようと気合を入れて着替えてメイクを終えたところで突然の心臓発作で私は、あっけなく死んでしまった。

死んでしまった事のショックより、発見された自分の姿や衣装コレクションのことを思うと頭が痛くなった。


私には、年の離れた妹がおり尊敬される兄であった筈だが・・・どんな気持ちで兄の遺体を見たのかと思うと死にたくなる。

というかもう死んでいたか


暫くして、私は気付いた自分の思考が途切れていない事を・・・

だが、それからが大変だった。

果ての無い暗闇の中、考えることはできるが体はないので動くことは一切できずにただひたすら思考するだけの時間が続いた。


一ヶ月ほど経った頃には、死とは案外こんなもので自分の意識は無くならず思考の海を彷徨うものなのだと本気で考えるようになっていた。

やがて何ヶ月たったのかも分からなくなり、代わり映えの無い暗闇に嫌気がさし考えることを止めて眠ることにした。


更に数か月後?何故か私は、見知らぬ世界でエルフの女の子として生を受けていた。

私は、本当の女の子になれたんだ!神様ありがとう!(会ってないし、本当に居るのか分からないけど)


母は・・・いやエルフの女性は、総じて貧乳だった。

残念ながら飲みごたえも揉みごたえも無かった。


私の容姿は、周りのエルフに比べて大したことなかったけれど前世の基準では十分美人だったので満足している。

とにかくオシャレな服を着たいので服飾の技能を伸ばすことにした。

ついでに魔法、弓術、剣術もそこそこ練習し弱冠100歳にしてそこそこの腕前になっていた。

胸が全く成長しないのには凹んでいたけども・・・



「・・・ついに、ついに完成したわ!」


私は、黒のストッキングとガーターベルトを掲げて一片の悔いが残らないポーズを決めていた。

100年弱鍛えた服飾技能は、普段着を作る分には十分だったけれどオシャレ着を作るにはまだまだ不足だった。


伝説の『服飾魔法』を先ほど習得してストッキングとガーターベルトを創り出したのだ!

これからはレースのついたフリフリの衣装を作れるぞー!

エロエロの下着だって・・・デュフフフ


今日は、100歳の誕生日。なんて嬉しい日だろう!

半成人の日であり、訓練用の「一の森」に一人で入っても良い日なのだ!


「ひゃっはー!今日は、お祝いで一人焼肉よ!」


私は、獲物を求めて森に向かって駆けだした。

とにかく肉に飢えているのだ! 肉!肉っ!肉ッ!


エルフ達は、とにかく肉を食べない!

たまーに食卓に唐揚げのような物がでてくるけど味が薄いので食べた気がしない!

だったら自分で狩って食べるしかないじゃない!



と言う訳で弓で獲物を仕留めまくった。

木の裏側だってエルフ弓術にかかれば急所に一撃だよ、ハハハ!



たらふく肉を食べて里に帰ったら門番が急にゲロを吐いて気絶した。


「え?何?ちょっと!どうしたの!?」


声をかけても体がビクンビクンするだけで返事がない。

慌てて里の長・・・って言うか私のお爺ちゃんに伝える為に家に急ぐ。


「大変よ!門番さんが急に倒れちゃったの!」

「何ですって!ティファ場所は・・・うっオエェェ!」


私の声を聞いて出てきたお母さんがえずいたと思ったら吐いて門番と同じように気絶した!


「お爺ちゃん!大変なのお母さんが!」

「一体どうしたというんじゃ! くっさ!肉臭い!」


え?肉臭いって?


「ティファ、お前!肉を食べたな!」

「え?食べたけど?たまに鶏肉の唐揚げが食卓にも上がってたじゃない?」


それがどうしたっていうんだろう?


「ティファよ、あれはエルフ豆の唐揚げじゃよ・・・お前は、禁忌を犯したのじゃ・・・肉を食べたエルフは里には置いておけん。」

「何それどういうこと!?」

「ワシが聞きたいくらいじゃ!普通のエルフは肉なんぞ臭くて食えん!食おうとも思わん!当たり前すぎて注意なんぞしておらんかったが・・・。」

「ど、どうなるの私?」


お爺ちゃんが普段は見せない険しい顔で私に言う。


「一度肉を食べたエルフは、呪われ臭くなる。もう呪いは解けることは無い!」

「そんな!何とかならないの!?」

「ならぬ・・・里長として言う。ティファいや、スティファニーよ里を出ていくんじゃ!」

「!?」

「出ていかぬなら力づくで追い出すぞ!」

「っ!」


お爺ちゃんが杖に魔力を纏わせて突き出したのを見て私は駆けだした。

お父さんお母さんにお別れも言えず泣きながら滅茶苦茶に森を走りまくった。


翌朝、一晩中走って疲れてうずくまっていたら近くを人間の商人の馬車が通った。

乗せて欲しそうに見つめたんだけどスルーされた。

とぼとぼと夕方まで森を歩いていたら急に胸が苦しくなって気絶してしまった。


また、心臓発作で死ぬのかな・・・


目が覚めたら何故か巨乳(推定Eカップ)になっており通りかかった馬車の御者にナンパされて近くの街まで乗せて行ってもらうことになった。

気がかりだった臭いについては問題なく人間の男女、猫耳、犬耳のおじさん達も特に何も言ってこなかった。エルフ同士じゃなければ問題ないのかな?




◆◇◆◇




そして、冒頭に戻り―――

本当に何でこんなことになってしまったのだろう?

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