マモノの勇者
五巻マキ
【とある神の語り ①】
君は「マモノ」を知っているかい?
とっても怖くて恐ろしい生き物さ
——え? そんなこと無いって?
マモノは人間を襲うよ?
理不尽な生き物だよ?
……ハハ。君は面白いね!
だからボクは君を選んだんだ。
数多に存在する世界の内から君一人をね。
君は知っているかな。この世に存在する全ての常識は、実は常識ではないんだ。常に変動しているんだよ。
いつまでも古い常識に囚われている奴は愚か者と同義なのさ。
君もそう思うだろ?
——え? 思わない?
……ハハ。ハハハ!
やっぱり君は面白いや!
そう。君のそういうところにボクは惹かれたんだ。
そんな君だから、ボクは安心して君に任すことが出来るよ。
君にしか、頼めない。
長々とごめんね。本題に入るよ。
君にはとある世界を……いや、違うな。世界じゃない。マモノを救って欲しいんだ。
そのとある世界はね、ちょっとやそっとじゃ落ちないような、「マモノは悪」という概念が頑固にこびり付いた世界なんだ。
でもね、君なら大丈夫なんじゃないかな?
なんたってこのボクが選んだただ一人の人間なんだから。
選ばれし者、勇者ってやつだね。
でもただの勇者じゃないよ。マモノにとっての勇者さ。
それじゃあ頑張ってね。
期待しているよ。君がマモノを救ってくれることを。
応援しているよ。君がマモノを救えるように。
さあ、お別れだ。
最後に言っておくことがあるんだ。
ごめんね。これが本当に最後さ。
いいかい? 君に新しい名前を授けるよ。
新たな旅立ちに向けて新しい名前の方がテンションが上がるだろう?
——え? 思わない?
ハハ。君らしいね。
でもね、ぜひとも受けっとって貰いたいんだ。
——いいの? ありがとう。
それじゃあ、君に名前を授けるよ。
君の名前は――
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