二番目の恋
はるき
第1話
テストで一番を取りなさい
運動会の徒競走で一番を取りなさい
一番良い中学へ行きなさい
いつも一番になれと今まで言われてきた。でも僕はいつも一番になれなかった。一番は他にいて僕はいつも二番目。その度に親に陰口を叩かれていた。
ーなんでいつもあの子は二番目なのー
ーもう良いじゃないか二番目だってー
ー何言ってるの一番になれってあなたがいったんじゃないー
親が喧嘩してるのが自分のせいであると分かっていたから余計にそこにいるのが嫌だった。
高校は頑張って市内で一番の高校に入った。だがそこでは一番になることは一回もなかった。これに親も呆れたのか大学は好きなとこに行っていいと言ってくれた。僕は昔から好きだった絵を学びに行くために美大に行くことに決めた。これからは親のためではなく自分のために自分の好きなことをやって行こうと決めた。
大学に入るとそこは自分にとって楽園だった。好きなことについて学ぶのがこんなに楽しいと始めて知った。学ぶことの楽しさを今自分は感じている。そして中学、高校と進学校に通い、恋愛をしたことがなかった。いや、正しくはする余裕がなかったのだ、親の期待を裏切らないようにするのでいっぱいいっぱいだった。だが今 自分は恋をしている、ひとつの学科でしか一緒じゃなく、週に何回しか会うことがなかった。だが彼女を始めて見たとき心が、胸が熱くなり苦しくなった。世に言う一目惚れというやつだ。いつもおしとやかで長い髪と白いワンピースがとてもよく似合う彼女のことを僕は一日中ずっと考えるようになった。彼女とどうすれば仲良くなれるのかそればかり考えてしまった。
ある日1つの結論が出た。まず、自分の容姿を見直すことにした。ネットで調べた「モテる男特集!」を丸々参考にした。髪を始めて茶色に染め、筋トレも始めた。初めてのことで戸惑いもあったが勉強だけじゃわからないことがたくさんあった 友達ができたのだ。同じ学科の人でいつも気さくに僕に話しかけてくれた。その人からの勧めで筋トレも始めたのだ。ある日その友達に好きな子の話をした。すると友達は
ーえ、話しかけたことないの!?ー
恥ずかしながら頷いた。
ー今のお前なら結構イケてると思うぜー
あまり褒められたことがないので顔から火が出そうだった。そんな俺を見て友達が大笑いした。
ー良い友達を持ったー
そう僕が思っていると友達は目をパチクリさせた。どうしたの?と聞くと友達が
ーあれ、お前の言ってるあの子じゃね?ー
え、振り向くとそこには一目惚れしたあの子が歩いていた。
ー話しかけろって、な!ー
そう言われてもなかなか勇気が出ない。こんな時親の言ってたある言葉わ思い出した。
ーあなたのために一番にならなきゃいけないのー
自分の為に、いや僕は自分の為ではなくあの人のなかでの一番になる為に二番目ではなく一番目になる為に僕は行かなきゃいけないんだ!
バッと立ち上がると友達がニヤっと笑いながら僕の背中を叩いて
ー頑張れよ!ー
とだけ言ってくれた。
これからは自分の為ではなく誰かの為に頑張ろうそう決意し僕はその子に話しかけた。
「あの!はじめまして!」
完
二番目の恋 はるき @yasudaharuki
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