宇宙生命論

高柳の神

第1話プロローグ

「この世はどのようにできているのだろう」

 なんで人は生きて、なんのために生きているのか。あなたはだいたい似たようなことを考えたことがあるのではないか? 

 そんな、何に向かっているのか分からない。そもそも、命とは何なのだろう? 分からないことが多すぎる。そんな人生のために、一つ物語を作った。笑いあり、涙あり、宇宙すら巻き込む、和気藹々と楽しめる、そんな物語だ。

 生命は宇宙と関係があり、鍵となる。

 

 

「人はいつまでたっても命を理解できない」

「宇宙なんてものは、人間が考えるものではない」

 本当にそうか? そんなんでいいのか? 気にならないのか? 

 今も科学者達やらなんやらが研究を続けている。それは、気になるからだろ。人間とは、そんな不思議なことがあったら、きっと知りたいと思うだろう。だから研究を続けるんだ。

 ここで、私が宇宙について思ったことを述べよう。述べようと言ってもそれは論理ではないし、ましてはオリジナリティーである。どうでも良いとさえ思うだろう。まあ、そんな小論文でも聞いていただこう。

 この宇宙の真理の仮定を。

 私が思う仮定は色々あったのだが、メモしとけばよかったと思う。何故なら忘れてしまったから。記憶とは曖昧である。だから今覚えているのだけ言おうと思う。

 誰かが八紘一宇にした。

 いきなり言われて分からないかもしれないですが、詳しく言いますと、この宇宙の最初はビックバンであるわけですが、そのビックバンがまとめたものが宇宙であると言う考えです。また、そのビックバンじゃない、他の誰がが、宇宙を一つにして今の宇宙があると言うのもあるかもしれません。

 そして続けて二つ目と言いたいですが、忘れてしまいました。本当に学ばない人です。思い出したら言おうかと思う。思い出すまでとある物語で我慢して頂こう。さて、どんな物語でしょうか? それは読んでみてからのお楽しみ。

 

 高柳の神

 

 この世は全て平等ではない。誰がみてもはっきりわかる。なぜなら、この世には異能を持ったものと、持ってないものがいる。この時点でもう、

 「ありきたりだ」

 「馬鹿らしい」

 「厨二病」

なんて思うだろう。だけど私は異能というものがあると思ってる。現にある。しかし、多くの方は、白い目で見たりするだろう。クラスメートに話したら笑われた、とか。

 しかし、その厨二病ぽいことも、今までにない考えで、面白いならば、みんなも信じてくれるだろうな、分かってくれるだろうな、とか思った。(まあ、頭おかしいとか言われるかもしれないが)だからその考えを示す。

「異能とは生命の数が多いほど強くなる。」

 正直自分でも何言っているのか分からない。だけど、なんとなく、この考えは間違ってなんかない、と強く思うのだ。こう言うと、執拗な人間であると思う。主人公は結構頑固である。ちなみにこれはフィクションの世界だ。(多分。もしかしたらあるのかも知れないが。)そこはご理解いただきたい。

 

 それでは話を進める。私の思う異能とは、炎を操ったり、手から雷を出したりするもので、普通ならできないことができてしまうことだ(ちなみに、こんなことを言う奴が厨二病である)。おそらく正しい説明はできていると思う。人並み外れた力を持つ者のことを異能者、又は能力者なんて言うのだ。

 さてこのフィクションの世界の主人公を決めてあるので紹介しよう(ちなみに最初から喋っていたのが主人公)。

 私の姓は、高柳と言う。神である。

 私は神であるほどだから異能を持っている。まぁ、持っていない神もいるらしい。例外もあるが、そんなことは今はどうだっていい(今は私の自己紹介タイムなので)。とりあえず高柳は強い。そしてものすごい異能を持っている。そんな神の話である。

 

「なんかおもしれーことねーかなぁー」

 高柳はポツリと言った。

 私は暇である。何もやることがない。ない。何もない。何か喋っても、誰もいないから返事もない。私は今、所謂ぼっちである。こんなに辛いのか? 神様でもわからないことはあるんだ。今、知れたのだ。ぼっちは意外と辛いのだ、と。

 やったね、一つ学べたよ。そんなゲームのクリアした時のお姉さんの声が聞こえた気がした。このままでは本格的にまずい。気が狂いそうだ。

「暇だ。何もやることがない……。何かしたい」

 それでもただ、ぼーっとしている神がそこにあった。そんな声が聞こえた気がした。読者は、

 「なんだかつまんない話だな」

 と思うだろうな。この話、続かないんじゃね。もう、終わるんじゃね。

「ははっ……」

 本当にすることないと、こんな感じなのかな? 面白くないのに、ついつい笑ってしまった。

「ほんとに何にもねぇ。なんか起きてくれ…」

 神様に願った。思わず自分にツッコミたくなってしまう。

「お前は神だろ」

 と。

「一人ツッコミか……、寂しいな」

 これ以上寂しい思いをしたくない(と言っても何もやることがない)ので、神社の社内でお茶を飲んでいた。

「おっ茶柱が立った」

 何か今日はいいことあるなと幸せ気分になった神がそこにあった。全く自分は怠け者だなと思う。こんなのが神なのか?

 大丈夫かこの世界は?

 本気でそう思う方もいるだろう。やばいな。このままでは私のせいで物語が終わってしまう。それだけは嫌だ。だけどどうすれば……。

 ピラッと一枚の紙切れが、風に乗って飛んできた。よくある、チラシが風に乗って舞ってきた感じである。

「んっ? なんだ?」

 それを読む高柳。

どれどれ……。その紙は、ただのチラシではないらしい。山神が争ってる。応援求む。

 その紙には応援要請が書いてあった。どうやらその紙に書いてあった文字は、手書きであるようだった。なんだか見覚えがあるような字だな。……。あ、そうだユウナの字だな。

「あいつ、一人で何やってやがる。ずるいじゃねーか。よし、山神を止めに行るとするか」

 やっとやることができたので動き出す高柳。

 場所は近くの山らしい。(この紙が飛んでくるくらいだから)

 高柳は神さまだから飛べるから、応援要請のあった地に飛んで向かった。

 仲間を助けるため? 世界を守るため? いや、違う。そんな気持ちも無くはないが、本当は楽しむために行ったのだ。暇だったか。

 人生楽しまないとね。

 

「遅かったじゃない。」

「ユウナ。お前のかこの紙?」

 ユウナとは、同じ神である、守護神だ。ちなみに高柳は戦いが好きだから闘神といったところか。ユウナとは仲がいい友達らしい。所謂、神友である。

「そうよ。まさかあんたがくるとはね。助かるわ」

 そう言ってユウナは状況報告をし始めた。

「今回は、山神同士争っているらしいのよ。それで私が二人を間に入って止めようとしても、貴様なんかに分からないって言って、口を聞いてくれなくて」

「なるほどな。要は、二人を仲直りさせればいいってことだな」

「そう言うこと」

「神同士で争うとは、人間と同じじゃないか。毎回嫌になるね」

「どうやら、この二人は神に仕立て上げられたらしいのよ。神といっても元人間だから、しょうがないんじゃない」

「まぁ、神は人間の願いからできたものと、人間が異能を理由に神に仕立て上げたものとあるからなぁ。」

 そう、神には二種類の生まれ方がある。一般的に多いのは、人間の願いからできたものである。結構人間は強欲であるため、こっちの方が多いのだ。ただし、こっちの神は、あまり強くない。強い神もいるが、それは七福神や天照大神くらいである。ちなみに、高柳とユウナは、仕立て上げられた神である。

「とりあえず、周りに被害が出る前に止めに行くわよ」

「そうだな」

 そう言って二人は争う神たちを止めに行くのである。

 

 山神は言った。

「人間は地球を理解していない」

 もう一方の山神は言った。

「お前は人間を理解していない」

 これではダメなのだとふたりは言っている。

「何故人間を助けるのだ。そんなクズどもを。地球はこのままでは持たない。そうなる前に、人間を消すのだ。何が悪い?」

「今は地球に害をなすが、これから先はもっと良くなっていくだろう。現に、世界が動いている」

 睨み合う、二人の神。

「考えを変えないといつまでたってもこのままだ。そんなことで、この先やっていけるわけがない。だから、神である我々が、先に動くべきなのだ!」

「ならぬ。待ってやろうぞ。鬼かお前は」

「鬼にならねばダメなのだ!」

「ならぬことはならぬというのに」

「何がならぬだ。やらねばならないのだ。まずは貴様を消すとするか。」

「貴様を止めるとするか」

 二人は、決闘に備えてかまえた。

 

 争いが始まってしまったのはそんなことかららしい。

「馬鹿らしい」

 二人の神の間に言葉が響く。

「なんだと。これからの未来を考えるのは大切なのだぞ」

 二人は食らいつく。しかし彼の言葉は尖っている。

「なぜ楽しくできない。なんで争う。争わず、話し合って妥協したりしようなんて考えないのか」

「そんな考えは、怠け者の言うことだ」

「ほう、俺が怠け者だと」

 高柳は自分が怠け者でないと言うが、周りから見ると、怠け者である。さっきまで、何もやることなくてダラダラしてただろ。

 山神は言った。

「どうせ貴様なんかに分かるはずあるまい」

「分かるわけないだろ、そんなもの。だって、どっちも分かり合おうとしないだろ。そうやって、エゴだけ押し付けてるからお前ら二人は争ってるんだ」

 もう一方の山神も言う。

「エゴではない。私を信仰しているのも達の考えでだ」

「そうかい。なら、お前らは命令されて動いてるわけか。なら、せめて俺を納得させることを言え。人間の使い魔ども」

「命令するな。誰が人間の使い魔だ‼︎ 私は神だ‼︎ お前は私の下につけば良いのだ人間‼︎」

 まずは貴様を消す。山神達は、口を揃えて言った。二人は、腰にあった刀を抜き、一斉に飛びかかってきた。

「同じ考えならば、こうも容易く協力し合えるのだな」

「これは仕方のないことだ」

「我々の議論には、貴様は邪魔だと判断したからだ」

「邪魔ねぇ。今、俺たちにとっては、お前らが邪魔者だよ」

 戦いが始まった直後、高柳は、地面を軽く蹴った。その瞬間、高柳のオーラが変わった。そしてすぐさま術を唱え始めた。それが山神達には、自分たちを舐めていると思ったらしく、

「なんだ貴様‼︎なめておるのか」

「観念したか。ならば死ね」

 二人はそのまま止まらずに、高柳の元に突っ込んで行く。

「お前らは何か勘違いをしている。さっき、お前らは俺に人間って言ったよな」

 高柳はニヤリと笑う。

「俺はお前らよりかも強い神様だ」

 そして、その二人の刀が、高柳の体に触れるその間際に、彼らはブレーキをかけた。なぜか彼ら二人の動きが止まったのだ。何故?

「さすが高柳ね」

 ユウナは感心した。ユウナにはしっかり見えていた。その訳が。

 さっきまで争っていた山神が、

「すまんかった。こんな争いをしていてはいつまでたっても解決するわけないよな」

「こちらもすまない。争いは悲しみを生むだげだよな」

 二人は肩を叩き合い、握手をした。二人は妥協したようだ。

「争いはダメだけど、二人とも同意して、楽しく戦い合うならいいと思う。その時、相手を尊敬するのを忘れてはいけない。それを忘れてしまったら、悲劇が起きるかもしれないからね」

 と、彼は言った。

「お前らもすまなかったな。これからは周りを見るようにするよ」

「私もすまん。神がこんなことをしていてはいけないよな。何で神になったのかを考え直さねばな」

「わかったならいい。これからは気を付けるように」

 まるで親か先生みたいな口調で高柳は山神二人に言った。

 まぁ、何がともあれ、これで無事解決したのだった。

 

「やっぱり高柳の能力はすごいね。私の出る幕がなかった」

 後ろで見ていたユウナは言った。

「たしかに、この俺の能力は基本なんだってできるもんな」

そう、彼の能力は「なんでもできる能力」なのだ。彼は、これ欲しいなとか、これ実現したらななどの願望が叶えられるのだ。ただし、いくつか弱点がある。

「だけど、仲間がいないと、術を唱えている間に攻撃されたら終わりだからな。やけに時間がかかるのが一番の難点だな。それに、スイッチを入れないと、術を唱えることが出来ないしな」

 そう彼は術を唱えている間はほぼ無防備であるため、守ってもらはないと術を唱え終わるのが難しいのである。

 そしてスイッチというのは、先程高柳が、戦う前に地面を蹴ったのがそうで、スイッチの入れ方には様々ある。基本なんだっていいが、そのスイッチを入れるときの力加減によって、能力の強さが変わる。

「だからユウナは俺を守ってくれるんだよな」

「嫌々だけどね」

 と彼女は少し照れる。

「だけど、唱える術にもよるんだよね」

「まぁそうだな。今回はギリギリ間に合ったから良かったけど」

 彼の能力は大きい願いになるほど時間がかかり、逆に簡単な願いほど短時間でできるのだ。

「だけどもし、間に合わなかったなら、ユウナが守ってくれたんだろ」

「まあね」

 二人で守り合って戦っている、とこんな感じでなかなかいいコンビである。

  

 ちなみに今回出てこなかったが、この二人の他にもう一人、かずきという仲間がいる。とんでもなく天才である。ちなみにユウナは防御能力の持ち主である。この三人がいればほぼ無敵に近い。これからはこの三人で話が進んでいくのでよろしく。

 

 翌日の話となるのか。

 様々な生命の運命の歯車が、様々な音を立てて回り始める。誰の仕業なのかは分からない。運命とは神様が決めているのだろうか? 

 そんなことは分からないが、高柳達はその歯車の主人公となって話は進む。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る