02|『3・11』から8年が過ぎて…


『3・11』から8年が過ぎて、いま―――思うのは…。


被災地のすべての人たちが、とりあえず安心して暮らせるようになるまでは、ぜったいに忘れたらダメだな…ということです。


今日、たまたま『未来のミライ』を観たんですが、ネタバレしない程度に話すと、あの物語は、クンちゃんという男の子が成長するお話であると同時に、過去の系譜けいふをたどる話でもあるんですよね。


よく、田舎のおばあちゃんが言ってるように『自分がいまここにいるのはご先祖様のおかげ』っていう…。ご先祖様が子孫を残してくれたから、いまの自分がいる、という…。


それは、地域にもいえることだと思うんです。


いま、この土地で暮らしていけるのは、過去に人々が開拓し、暮らし、インフラ整備をし、住みやすい町をつくってくれたからです。


その土地ごとに物語があり、歴史があり、人々の思いや願いがしみついている。


仕事ひとつにしても、代々漁師をしてきた人には、漁師の血が流れており、船が流されたからって、その海で働けなくなったからって、そう簡単に漁師をやめるわけにはいかないですよね?


昔から、脈々と受け継がれている《志》がある。


ただ、その土地がなくなったわけじゃない。

ただ、住めなくなったんでもない。


そういう、もっと、もっと重い気持ち。

昔から受け継がれてきた《歴史》が、この震災で消し飛んでしまったんです。


その絶望を、世間の人たちは、もっともっと知るべきなんだろうと思います。


そうはいっても、自分も、まだまだ何も知らないです。

この時期がくると特集しているニュースや、ドキュメント番組を見て、心を痛めてるばかりです。


でも、それでも、なにも思わないよりはいい。


こうして、震災のことを話すだけでも、きっと、いつか《力》につながる。


そう信じて、このへんで終わります!




************《余談・終わらなかった…笑》***********



『のむにぃ』の話が出たので、ついでに、当時のマガジン裏話をしましょう。


当時、彼がアシスタントをしていて、聞いたこぼれ話です。


『あひるの空』を連載していた漫画家さんの話なんですが…彼は、震災直後、どうしても被災者に向けてメッセージを贈りたくなり、編集部が首を横にふる中、連載を一回中断して、メッセージ漫画を掲載したそうです。


「それって、どうなんでしょうね?」と、のむにぃは言いました。

「震災に関係のない読者は、きっと連載の続きを楽しみにしていたと思うんだ。それが読めなくて、がっかりした読者もいたと思う。ねえさん、どう思いますか?」


私はいいました。

「それは大正解だったと思うよ。きっと、先生の中にも葛藤はあったはず。でも、全国の読者を裏切るカタチになっても、被災者の人を優先したのは勇気がいったと思うし、それをやった先生はすごい人だと思うな…」


そのとき、多くの作家や、漫画家、アーティスト…さまざまなジャンルのひとたちがいっせいに《なにか》をしましたよね。


そういうのを見ると、人間は捨てたモンじゃないなぁと、しみじみ思います。


最近、《サンドイッチマン》のお二人が、芸人をやめる覚悟で被災地でお笑いライブをやったというエピソードが語られていて、売名行為だったんじゃないか?とか、いろいろ言われてましたけど…そういうことを言われる覚悟すらできていたんだと思うと、彼らも、本当にすごい人たちだと思いました。


でも、あの状況を見たら『やらずにいられない』だけかもしれないですけど…ね。



では、みなさん。


「3・11を忘れない!」を合言葉に、


また、2020年の3月11日に会いましょう♪

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