第43話 宣言!

O先生から手術を勧められ、返事出来ないと言って帰ってから、

2週間経っても、U先生からは何もなかった。

O先生とは、常に情報交換しているというのだから、

手術を進言したことは聞いているはずだ。

何か聞いてくるのではと思ったが、ない。

3週間になろうとしたある日、

受付で私のカルテが見つからない。

医院長(U先生)に確認に行ったようだった。

「先生がお話があるそうなので、リハビリの前に診察して頂けますか。」

と言われた。

来たな。

「O先生から手術の話ありましたよね?しばらく様子を見るということなんですね?」

と切り出された。

「様子を見るというか、手術はしないということです。」

「えっ?」

明らかに驚いていた。

「手術した方がいいことも、安心なことも分かっています。でも、どう考えても

入院、ギプス、松葉杖で6か月は、スケジュール的にも無理ですし、

また、仕事休んで、多くの人に迷惑かけられないです。」

「そうですか。生活もありますからね。結果論で申し訳ないですが、

もっと早く言えば良かったんですが、順調だとO先生も私も思っていたので。」

手術を進言したのは、U先生であることも言っていた。

そうだろうと思っていた。

「まだ、階段の上り下りが上手く出来ないので、それがスムーズにいくようになりたいので、リハビリは続けます。止めようと思ったんですけど。」

「ゴルフが出来るくらいになりたいんですよね。」

「ゴルフは、もうやってます。もう4回ほどラウンドしました。」

「もうしてるんですか。それは知らなかった。アクティブですね。出来ましたか?」

「100%ではないですが、18ホール周れます、それなりに。」

療法士には、ゴルフのことも伝えているのに、医師と療法士で情報共有しないとかと

少々呆れる。

同じカルテを見るのだから、一言書けばいいではないか。

療法士も

「医院長は、何と言われましたか?」

と聞いてくる。

共有しろ!と言いたい。

まあ、手術はしないと宣言したことで、

気持ちが楽になった。

現状維持でしかないが、それでも歩く歩幅は広くなっているし、

少し早くも歩けるようになった。

長く歩く時は、予防のため杖を使う。

リハビリもタダではないので、週3回を2回にする。

寝る時に着圧ハイソックスを履いて寝ると、

朝のこわばりも少し楽な気がする。

転ばないようにとか、重い物を持たないとか、

気をつけて生活する。

ちょっと吹っ切れた感じがする。

来週、母の合同葬のため、東京に行く。

杖がいるな。

来週も再来週もゴルフだ。

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