第35話 リハビリって

整形外科におけるリハビリの意味を分かっていない人は多い。

多くの人は、ケガや加齢での障害の痛みや腫れを取って、

機能回復することだと思っている。

それだけでは、不十分だ。

同じケガをしないための予防まで含めてリハビリなのだ。

特にスポーツ選手がスポーツでケガをした場合、

痛みを取っただけでは、また、同じ、あるいはそれ以上のケガをする可能性がある。

多くの人は、痛みがなくなると、勝手に治療を止めてしまう。

たとえば、捻挫は癖になるーというのは、

本当の完治をしていないから。

一度ケガをすると、その周りの筋肉は急激になくなってしまう。

骨折やアキレス腱を切ったりして、

ギプスでもしようものなら、驚くほど筋肉は落ちてしまう。

骨や腱がついても、それを保護する筋肉をしっかりと鍛えないと

同じか、それ以上のケガに繋がってしまう。

大腿四頭筋の肉離れをした時に、

たまたまトレーナーとして担当して頂いたのが、

卓球女子の日本代表専属トレーナーの米澤先生だった。

当初は、アイシングや電気治療が中心だったが、

痛みもまだある中、テーピングで固めて、

階段の上り下りや、ボールを蹴る、走るなどの運動をさせられた。

スポーツジムにあるような、重りを蹴り上げるマシンなども行う。

スポーツ選手は、筋力の回復、筋力アップをさせるのだ。

週3回を6か月通った。

そのお陰で2度と肉離れはしていない。

捻挫した時も4か月リハビリに通って、再発したことはないのだ。

電気治療も何のためにやっているのか、

何に働きかけて、どんな効果が期待出来るのかを、

もっと、患者に説明すべきだ。

「高周波いきましょう」

「レーザーしましょう」

とか、スタッフに促されて、決まったことだと思ってやっているけど、

なぜ、その治療をしているのか、知らずにやっている人がほとんどだ。

私は、全部医者なり、療法士なりに聞くことにしている。

納得したいからだ。

理解していると、電極の当てる場所ももう少しこっちとか分かるようになるし、

積極的だと思われるのか、お試しで入っている最新機器を優先的に使わせてくれる。

先日も、スタンガンのような(電気ショックはない)震動を与える機器を試した。

骨にまで響くのでちょっと驚くが、これが効いたのか、

しこりが少し小さくなった。

何でも理屈を理解しないと、その効果は低いし、長い。

バドミントンやゴルフを教える時、

素振りでも、どこにどういう意識をしながらするのか、

ポイントを説明する。

ただただ素振りをしても技術はアップしない。

ゴルフでスライスが出ても、理屈が分かっていれば、

修正ポイントが分かるはずだ。

痛みがなくなったからと、勝手にリハビリを中止してしまったら、

また、どこか痛めます。

医者からもういいですよと言われるまで、行ってみるのは難しいかな?

でも、1ヵ月に1回くらいでは、効果薄いですよ。

年齢高い人ほどちゃんと治した方がいいです。

一生の痛みになってしまうから

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