ラブコメ主人公に俺はなりたい!
@amane0655
プロローグ〜恋への憧れ〜
季節は夏。
高校二年生、東条ヤマトは、こじんまりとした薄暗い部屋の中で、甘酸っぱい恋を描いたアニメを見ていた。
「俺にもこんなこと起きねぇかなぁ…」
非現実的なことを呟きながら、俺は途中だったアニメを閉じ、夏休みの間放置されていたカバンに目を落とした。
部屋に乱雑に投げられていた教科書達を俺は、一冊ずつ確かめながらカバンに入れていく。
カーテンを開けると、眩しい光が俺の部屋いっぱいを包み込んだ。窓越しでもわかる、外は相当暑いだろう.......
「なんでこんな暑い日に補習なんてあるんだよ。俺だって、女とデートくらいしたいぜ.......」
叶わぬ夢を吐き出した後の静けさに俺の心は少し冷たくなった……あ、少し涼しくなっ.......
俺はブンブンと首を振った。
「これで涼しくなっても虚しいだけだな」
気持ちを切り替えるため、ヤマトは一度深呼吸をして
「よし!行くか!」
家のドアを勢いよく開け、炎天下の通学路を歩き出す。二、三歩歩き始めた時には、もうドアを開けた時のような勢いは消えていた。俺はただ憂鬱だった。
これから俺に、何が待っているかも知らずに────
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