人工知能について思うこと①

 以下、ダイアローグ。

 (なお、筆者の考えと登場人物の考えは、必ずしも一致しません。)


「先生は、人工知能のシンギュラリティ(技術的特異点ぎじゅつてきとくいてん)を、今でも都市伝説だと思ってますか?」

「その考え方は変わってないね。少なくとも、人工知能に人間のような感情が生まれるとは思ってないよ」

「ラディカルですね。考え方としてはスッキリしてますが、どうしてそう言い切れるんですか?」

「まず、コンピューターはどうやって動いてる?」

「えっと、0と1の組み合わせで……」

「そうだね。だけどせんじ詰めれば、出来ることは四則演算しそくえんざんでしかない」

「足し算、引き算、掛け算、割り算の四つだけ、ということですか」

「そう。これらを組み合わせても数学言語に可能なことは、『論理』『確率』『統計』の三つだけだ。もちろん、人間とは比べ物にならない高速で計算することは出来るが、この三つの能力を逸脱することは基本的に出来ないと考えて良い。つまり、人工知能は公理系を超えることは出来ないということ」


 (続きます)


 参考文献:新井紀子『AI vs.教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社 2018

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