短編集

ぴおに

6月号 飴と傘

 傘がない……

 駅まであと少しなのに。

 アーケードの下で雨宿りする。

「駅までなら一緒に入れて行ってあげるよ」

 イケメンすぎる……

「ありがとうございます」

 駅まで、ほんの数分。

 急に降ってきたねーとか

 他愛もない会話だけで終了……

「ありがとう、お礼にコレあげる」

 いつも持ち歩いているお気に入りの飴。

「ありがと」

 彼は包みを開けて

「はい、あーん」

 コロンと私の口の中に入れた。

 赤くなって、ぼーっとしていると

 キスをして

 舌で飴玉を持っていった。

「ごちそうさま。じゃね」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る