第28話:SKSハウスのマンスリーマンション計画1
2014年3月23日、東京駅近くのビルの会議室でグループ企業10社の首脳が
集まり、このプロジェクトの話が始まった。話が盛り上がり、大きな施設をつくった
方が、新しいビジネスモデルの先駆者として市場をリードできるのではないかという
意見が支配的になった時、信夫が手を上げて、木谷建設の関係者ですが、必要最低
限度の施設をつくって1年程度、稼働率を慎重に見極めてから、大きい施設を
つくった方がリスクが少ないのではないかと発言した。
今まで、風光明媚で、冬暖かい、良い環境の房総で、ウイークリー、マンスリー
マンションがないというのは、何か、見えないリスクがあるのかもしれません。
それを確かめてから本格的に投資した方が安全だと主張した。この話を聞いて、
幹事のSKSハウスの鬼怒川専務が木谷建設の木下信夫君の言った意見も大事な
ことかも知れないと同調してくれた。
試験的に最小限の木造3階建て20室の小さいマンスリーマンションを建てて、
1年間の運用実績を見てみましょうと言うと、会場は冷静になり、この意見が主流
となり、この案で行く事に決まった。5月中の完成をめざし、直ぐに工事に着手
することになった。
その後、木谷社長と、木下信夫が鬼怒川専務の部屋に呼ばれた。木下信夫が事情
があって、現在、無職で投資をして約10億円の資産を作ったので、面白そうなので
投資したいと切り出すと、それは1億円の最初の物件にですか、それとも今後の事業
にも参加すると言うことですかと聞いてきたので、初期の1億円の物件に投資しても
あまり意味が無いので、投資する価値があるか1年の間に判断して、投資するか
どうか決めると答えた。
それなら、是非、協力をお願いしたいと言った。そして、木下信夫に10億以上の
資産があるなら、ベンチャー投資家としての資格は十分あるのでベンチャー投資家、
木下信夫で名刺を作ってあげようかと言うので、お願いした。日本にも、あなたの
ようなベンチャー投資家がいるんですねと驚いていた。アメリカには、多いが日本
では滅多にお目にかからないと笑いながら言った。
木下信夫さんの氏名、住所、電話番号、生年月日を書いて下されば、直ぐ作って、自宅に500枚、郵送させますと言ってくれた。帰り際に、鬼怒川専務が木谷社長に、こんなにユニークな人脈を持っているとは知らなかったと言い、日本では珍しい、ベンチャー投資家に、お会いできて光栄ですと、衣川専務が木下信夫に握手してくれた。
部屋を出ると木谷社長が、信夫君が10億円以上持っていたとは知らなかったと
驚いて、我が社の資産よりも多いくらいだと笑った。会議の翌日からマンスリー
マンションのプロジェクトが始まった。佐藤君から、天津小湊の信夫の伯父夫婦
にも協力して欲しいというので連絡して承諾してもらい、信夫が車で出かけた。
その後、伯父の家で、話を聞くと、天津天津には、競合するリゾートマンション
はないと思うと言うので出かけると確かに存在しない。興津の港には旅館と会員制
マンションが1つあると言い、競合を避けるなら、天津港の近くの方が良いのでは
と言った。
出かけてみると外房黒潮ラインの道沿いに、ちょうど良い大きさの土地があり、
奥側にも大きな土地があって増築可能な土地も残っていた。天津天津駅からも
タクシーで、1メーター500m程度、徒歩で15分程度。鴨川は競合が多く、
厳しいかも知れない。
鴨川は隣駅で、車で10分、勝浦・御宿まで車で20分、館山まで車で30分と
言った所だった。木谷社長も、ここが良いだろうとSKSハウスに連絡すると、
翌日、会社の関係者6人で現地にやってきた。気になったので、信夫と佐藤君は、
現地で、彼らに会い、現地を案内した。SKSハウスの担当者が、確かに良さそうだ
と言い、事務手続き担当の人が、近くの不動産屋に挨拶に行き、連絡先を聞いた。
不動産屋で話を聞くと、昔、そこで商売をしていた人が高齢で倉庫だけを残して
引退したそうた。そこで、その人の自宅を訪ねると、息子さんが出てきて応対して
くれた。地元の不動産屋さんを通して交渉したいと言うので、その不動産屋さんの
場所と連絡先を聞いてきた。売却については、値段があえば、売却しても良いと
話してくれた。
必要な資料を集め、周辺の写真を撮って、SKSハウスに連絡すると、明日、
鬼怒川専務が来て、最終判断を下す事になった。そこで、地元で、もう1泊して、
明日、信夫と佐藤君も現地に来ることにした。翌日11時、鬼怒川専務と4人の
SKSハウスの社員がやってきた。鬼怒川専務が、信夫を見て、ご苦労さんです
と声をかけてくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます