第9話:児童館を開設のために奔走の日々
実家に戻り、信夫と和美は、この3年間を振り返り、もちろん楽しかったが
、何か、こんな事で自分達だけ、仕事もせず、遊んでばかりいて良いのだろうか
と思い始めた。来年は町の自治会の班長をする年になり、月1回の会議と公園掃除
が義務づけられた。その会議に、信夫が出席してみると、この地区に最近、
問題になっているのが幼稚園を終えた小学生や中学生の過ごす場所がないと
言う事であった。学校から帰って、自宅でぼーっと、過ごし、ゲームセンター
に出入りして、良くない仲間に入ったりと言う子供の問題が話題となった。
ある定例会議の時、長野県出身の人が児童館をつくったら良いと発言した。
そこで、市原市の学童保育の実態を調べると、半径30km圏内で3つの小学校
に放課後も遊んでいられる学童保育施設があったが、いわゆる児童館としては
、隣町の袖ケ浦市立代宿児童館しかなかった。
この施設を信夫と和美が見学しに行くと袖ケ浦市役所が、子どもの遊び場を
無料で提供しています。戯室、図書室、和室、屋外遊具、
プール10m×15m。団体名:袖ケ浦市立代宿児童館、活動分野:児童館
、休館日:月曜日・月曜日が祝日の時は翌日が祝日、12/29~1/3、
開館時間:8:30~17:00、利用できる人 市内在住の
18歳未満の子・6歳未満の幼児には、付添人が必要。
その後も、よく調べてみると、市役所が独立して児童館を運営してるのが
1件で、その他、小学校が保育クラブとしてボランティアで運営してる所が
2つ、五井には、こどもプラス市原五井教室という有料の民間施設が1件ある
だけで、市立保育園と同様で、収入に応じて市が費用を補助しているだけの
施設しかない事がわかった。
そこで、この地区の自治会館で、ボランティアさん十人程度と時給千円で
、専任担当者を雇って、運営するしかない事がわかった。自治会の費用から
補助金を捻出して、おやつ、飲食物は持ち寄りで運営するしかない。
そこで、この自治会で婦人会と共に、月単位で、夜6時までボランティア
できる人を募集したところ、土日は2人のみで、それ以外4~5人集まった
ので来月から運用して、近くのお菓子工場、お弁当工場、パン工場で、商品の
協賛をお願いすると、了解してもらい、数人の有志の車で30分以内の
現金問屋で賞味期限近い商品の協賛または、超割引販売してくれる
約束を取り付けた。
また地区自治会で月に300円ほど資金徴収を決めた。信夫と和美さんは、
人の集まらない土日のボランティアをして、月に2回、担当した。翌週から
動き始めたら、信夫が無職なので気軽に電話してと言ったため、頻繁に電話
がかかり、弁当、お菓子、パンの運搬を頼まれ、翌月の自治会で運送できる
退職した人を募集して8人で、週に2人体制で運用しはじめた。
これにより体勢が整ったかに見えたが、自治会に入っていない周辺の大型
マンションからの子供達が訪れ、予定人数最大20人と考えていたが、月を
おうごとに増えて11月には50人を越えて困ってしまった。そこで自治会長が
、そのマンションに掛け合ったが何の返答もなく、かと言って来る子供を
拒めず自治会で、問題となった。
せめても寄付金、月300円の支出をお願いする事にしたが義務ではなく、
お願いにとどめてくれとの要望を飲まざるを得なくなった。それでもマンション
から月・6万円の寄付が集まり、合計で12万円となり、時給千円で、もう一人
児童館の常勤の男性アルバイトを雇う事が出来た。
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