9.名前

 翌日、栄輔は第一貨物車に誰かがどかどか上がってくる音で目が覚めた。

「間に合った!」という声が聞こえ、入ってきたのは轟号とどろきごうの外で一夜を明かした杵だという事を理解した。

 屏風びょうぶカーテンを少し開けて様子を窺うと、まだ夜は明けてはいないようだった。

 もう少しだけ開けて通路に頭を出すと、それに気づいた人影が貨物車後部から駆け寄ってきた。それはやはりきねだった。

「栄輔、飯炊めしたきを見なかったか?」

「まさか、まだ帰ってないのかい?」

「いや、蓑布団みのぶとんは広げてあるんだが、空っぽなんだ」

 杵が言うままに通路の向こうに目を向けると、後部乗降口の側の広がっている部分に、飯炊が寝起きしているらしいほぼ人間がすっぽり入る大きさをした袋状の物体が置いてあるのがうっすらと見えた。

 便所に入っている様子もないので、一体こんな朝早くに飯炊はどこへ行ったのだろうと二人でうんうん考えていると、前部乗降口の引き戸が勢いよく開き、大きな紙袋をもったその飯炊が帰ってきた。

「栄輔、杵、丁度いい。残り二人を起こして」

「起こしてって、一体どういう事だ?」

「列車長は日が出る前に轟号を出すつもりらしい。すぐにでも発車準備が掛かるはずだよ。朝食を食べるなら今のうちって事さ」

 杵の問いに飯炊は早口で答え、紙袋の中から菅屑半紙すげくずはんしで包まれた長方形の物体を起きている二人に差し出した。受け取るとそれはほんのりと温かく、栄輔にはすぐに食べ物だという事が分かった。

 同じ物を受け取った杵が後部に戻るのを見届けた後、栄輔はその物体を片手に梯子を下り、雀が寝ている側の屏風カーテンを叩いた。

 すると「ほん」と寝ぼけた声を上げ、通路側に背を向けて眠っていた雀がまだ半分寝ている顔を栄輔に向けた。

「雀、起きて。もうすぐ発車準備だってさ」

「また列車長の予定変更か。相分あいわかった。今起きるよ……」

 雀はいつになくのろのろと梯子を下り、飯炊から朝食を受け取った。

 後で列車長本人から聞いた話だが、人を相手に戦う事が明白な時はいつどこから情報が漏れるかわからないので、こうして急に予定を変更する事があるようだった。

「珍しいな、飯炊が飯を作らないで買ってくるなんて」

「急に列車長に起こされて、『暗いうちに出る』って言われてね。作ってる暇が無さそうだったのさ。足らないなら自分で何とかしてくれよ」

 飯炊も雀と栄輔にそう言い残し、蓑布団を畳むためなのか後部に戻っていった。

 残された二人で乗降口前の段差に背中合わせに座り、包み紙を開けた。中に入っていたのは何か穀類の生地を四角く畳んだ物で、きっちり畳まれている割にはぶよぶよしている事から中に何か具が入っているようだった。

 一口食べると意外にもっちりとしていた生地がぷちりと破れ、まず具の味付けに使われているタレが口内に流れ込んできた。甘みの中に酸味があるふんわりとした味だった。

 更に食べていくと三分の一を過ぎた辺りで生地とは違う食感の物が口に入ってきた。暫く噛み締めていると合成肉らしい土臭さを感じたが、タレのおかげであまり気にならなかった。

「雀、これは何という食べ物なんだい?」

 栄輔は口元に付いたタレを手拭で拭き取りながら訊いた。

「これは東の方で食べられている料理で、チキンブリトーというんだ。つっても、あっちで食べられてる奴とはかなり違うらしいけどな」

 雀が栄輔の方を振り向きながら言った。東といえば大海を挟んで向こう側に、戦争中この国を支援していた二つの大陸を跨ぐ超国家があるという話だったが、こんな料理が食べられるとはどれだけ裕福な暮らしがあるのだろうと栄輔はつい思ってしまった。

「本格的な奴はもっと筒巻みたいな形で、中に肉と一緒に野菜が入ってるんだ。ちょっと値が張るが、野衾市のぶすましにはそれを出してくれる店がある。もちろん肉も本物だ。着いたら一緒に食いに行こうぜ」

 雀はそう明るい声で続けた。

 栄輔はそれからすぐチキンブリトーを食べきってしまったが、まだ物足りないように感じた。

 ロッカーに預けてある背嚢から膨張ぼうちょう食料しょくりょうを取り出し食べようとして、そこでようやく八裂市やつざきしで雀にあげてしまった物が最後の一本だった事を思い出した。

 栄輔のその様子を察した雀が気を利かせ、自分のロッカーから何か小さな紙袋を取り出した。

「やるよ。何時いつぞやの礼だ」

 進められるまま受け取り紙袋を開けると、昨晩駅前で買ったらしい鐚蛾びたがの油炒めだった。

 迷わず紙袋に手を突っ込んで掌で掬い、載っただけ口に放り込んだ。

 芥村あくたむらに居た頃からよく食べていた物だが、芋虫というよりは蛆虫のような見た目の幼虫や目が異様に大きい蛹は何度見ても慣れないが、噛み潰すと飛び出る旨みの効いた体液は、筆舌に尽くしがたい味だった。

 発車準備の号令が出たのは栄輔が鐚蛾を食べ切ってすぐの事だった。


 準備は滞りなく終わり、轟号は菌糸雲きんしうんの隙間から星が瞬くのが見えるうちに腓返こむらがえり駅を出発した。

 列車が動き出しても、栄輔はもう八裂駅を発った時のような高揚感は感じなかった。

 略奪者との戦いで親しい誰かが命を落とすのではないかという不安が再び鎌首を擡げ始めたからだった。そしてそれは空が白み始めるのと共に増大し始めていた。

 それでも昨晩雀が見せてくれた根拠のない自信のおかげか、それに立ち向かおうとすぐ思い直す事もできた。

 乗降口前の段差に座り込んだまま引き戸の窓から外を見ていると、のんびりと太陽が昇ってくるのが建物と建物の間から少しだけ見えた。

 それから間もなく轟号は密林帯に入り、腓返の街並みが巨大植物群の向こうに消えた頃、前部機関車が妙に慌ただしくなるのを栄輔は感じ取った。

 連絡口から様子を窺おうと思い切って立ち上がると、雀も一緒に立ち上がった。

 第一貨物車と前部機関車を繋ぐ連絡口の扉の窓を二人で顔を寄せ合うように覗くと、機関車内では壁に備え付けられた伝声管でんせいかんに向かって、何かを言ったり聞いたりしている列車長と、その側で真剣な面持ちで待ち構えている九九きゅうきゅうニ四にーよんの姿があった。

 どうやら列車長は見張り櫓に居るゴーグルと話をしているようだった。

 栄輔と雀が機関車を覗き始めてから数分、列車長は更に二言三言交わしてから伝声管の前を離れ、それからすぐ第一貨物車のスピーカーからぽつっと起動音が聞こえた。

「列車長だ。つい先程、見張員が有脚ゆうきゃく作業車さぎょうしゃの物と思われる排気煙を発見した。この密林帯を抜けた先の腑分ヶ原ふわけがはらで襲ってくると思われる」

 今回も列車長はそこで一旦言葉を切った。栄輔が雀に腑分ヶ原って何だい、と聞くと、雀は野衾市の南にある荒地の事で、戦争中最も激しい戦闘が行われたせいで、まともに再建することも生物が棲むこともできない程土地が傷つき、今もほぼ戦闘終了直後の状態で残っているんだと説明してくれた。

 かなりの間の後、列車長がまた口を開いた。

「野衾には我々の積み荷を必要としている者がいる。何としても辿り着こう。戦闘準備!」

 栄輔と雀は顔を見合わせ、お互い自分のロッカーから防禦服ぼうぎょふくセットを取り出した。

 手袋を嵌め、本体に袖を通し、ブーツを履き、裾付すそつきメットを被る。

 二人が厳めしい防禦服に全身を包むのを待っていたようにブザーが二度鳴り、列車長の怒鳴り声で「総員、戦闘配置!」の放送が入った。

「さあ、絶対に野衾へ行こうぜ!」

 互いに拳を突き合わせ、武器を手に取り、二人で一気に梯子をよじ上って雀が天井の丸蓋まるとびらを開けた。

 先に素早く屋根に出て、網行列あみぎょうれつとの戦いの時のように中の栄輔に手を差し伸べてきた。

 栄輔はその手を握り引き上げてくれる力を利用して思い切り屋根に出た。

 すぐに機銃座に転がり込み、コンセントの確認もそこそこに支柱と粒子りゅうし力線銃りきせんじゅうの電源スイッチを纏めてオンにした。

 続いて吸排気系は吸気口きゅうきこうだけを全開にし、制禦盤せいぎょばんの調整ツマミは威力を6、危害範囲を4に設定した。有脚作業車はどれほどの大きさがあるかは分からなかったが、危害範囲の方は味方を巻き込まない程度でも問題ないと栄輔は考えていた。

 粒子力線銃の起動と設定が完了したところで、栄輔は辺りをぐるりと見回し、乗員達に思いを馳せた。

 雀、列車長、杵、臼、飯炊、錆目さびめ鉄脚てつあし、九九、ニ四、ゴーグル、そして名前も知らないその他の乗員達――皆、栄輔にとって大切な仲間達と言えた。

 轟号はまだ密林帯の中を走っていたが、見張り櫓根元のアーチから見えるその行く手には密林帯の出口が近付いているのが見えた。

 また耳を澄ますと進行方向を前として左側から、何か喧しい金属製の機械が駆動する音が聞こえた。

 栄輔は一人でも多くの仲間を生かす為、自分にできることを全力でやろうと思いながら、音のする方に粒子力線銃を向けた。

「ビームだ」

 栄輔と背中合わせに立つ雀がふと言った。

「ビーム?」

「お前の渾名あだなさ。今考えたんだが、轟号の機銃手で一人だけ粒子力線銃を使うからビーム。どうだ、良い名前だろう?」

「ビームか。確かに良い名前かもしれない。野衾に着いたら、皆に発表するよ」

「それが良い……来るぞ栄輔!腹をくくれ!」

 雀は栄輔が向いている方向に連装れんそうばらき銃を向けた。

 次の瞬間、視界がぶわっと開け、目の前一杯に赤茶けた土と瓦礫ばかりが存在する荒野が広がった。どこまでも続く線路の先を見ると、地平線の近くにうっすらと幻のように縦長の建造物群が見えた。

 第一貨物車が密林帯から出たのから一呼吸置いて、植物を薙ぎ倒しながら大型車両が飛び出して来た。

 まだ眩しい朝日を反射して鈍色にびいろに光るその車体は刺々しいほどに角張り、両脇では片側三本の計六本の脚が休みなく動いて巨体を尋常でない速度で走らせていた。

 屋根の部分には轟号とよく似た機銃座が外側に若干はみ出す形で置かれ、黒い防禦服を着た人間がこちらに狙いを付けているのが見えた。

 また前方の一段高くなっている場所から、先端に噛み切りバケットの付いた六節ろくせつアームが伸び、まるで七本目の脚のように垂れ下がっていた。

 その全長は第一貨物車の三分の二程しかなかったが、それでも有脚作業車が持つ威圧感はある意味甲竜こうりゅう以上に恐るべき物を帯びていた。

 有脚作業車が腑分ヶ原に全身を現すと同時に、まず轟号の火砲車かほうしゃが火を噴いた。

 搭載砲の多くが有脚作業車が居る方向を向いていて、多少微調整すれば正確に当てられるように準備ができていた。

 目標を捕えた火砲車から順に砲撃が放たれ、真紅の光球が巨大な虫のような姿をした敵に殺到した。

 砲弾は有脚作業車に次々と命中・炸裂し、閃光と爆炎と硝煙がその車体を覆い尽くすほどに広がった。

 だが、それらを六本の脚で払い除けるように無傷の有脚作業車が現れ、轟号に迫ってきた。

 敵が砲撃を受けた時、丁度真横にあった第一貨物車に居た栄輔は、砲弾が有脚作業車に当たる直前、まるで見えない壁に阻まれたように何もない空間で炸裂したのを少しだけ見ていた。

 一体何が起こったのか考える暇も無いうちに銃撃が来た。

 屋根の機銃手がこちらに狙いを付けようとしているのがちらりと見えた時点で栄輔は反撃をすっぱり諦め、防弾囲ぼうだんがこいの中に雀と共に身をかがめた。

 その直後、第一貨物車の屋根を乾いた金属音が駆け抜け、防弾囲いの真上に丸く見える菌糸雲の空を赤い破線が走って行った。

 金属音が止むとすぐに立ち上がって粒子力線銃を構え、有脚作業車目掛けて有りっ丈の光線を浴びせた。

 だがこれも車体の手前で何かに阻まれたかと思うと、そのまま青白い火花になって飛び散ってしまった。

 更に有脚作業車は蛇行機動だこうきどうに入り、旋回速度の鈍い砲塔では狙いを付ける事すら困難になった。

 栄輔は粒子貯蔵量を示すランプが緑から底を尽いた事を示す赤になるまで撃ち続けたが、結果は同じだった。

 火砲車や粒子力線銃でもこれだったので、火薬機銃は数だけを撃ち込まれてもまともな効果は無く、ただ弾かれてあらぬ方向へ飛んでいくばかりだった。

 そういう事を起こす物に栄輔は心当たりがあった。

「まさか、粒子防壁りゅうしぼうへきか!?」

 粒子力線銃には、吸排気系と加速系の間に、集めた空気中の粒子を圧縮する構造がある。

 圧縮された粒子を電気加速して撃ち出せば強力な破壊力を帯びた光線となって放たれるのだが、そうする前の圧縮粒子の状態で何かの周囲を上手く対流させれば強固な粒子防壁となり、例え生成市なまなりしを消滅させた可燃かねんガス散布爆破攻撃さんぷばくはこうげきの真っ只中に居ようが内側の物体を無傷で守れるという話を聞いた事があった。

 これは誰かが有脚作業車に無理矢理乗り込んで、粒子防壁の発生器を壊さなければならないなと思っていると、見張り櫓の上で金属同士をぶつけるけたたましい音が鳴り響いた。

 栄輔が音の方を見上げると、ゴーグルが得物の長銃で見張り櫓の支柱を叩き鳴らしながら、しきりに有脚作業車のいる方とは反対側を指し示していた。

 粒子力線銃と一緒にその方向を見ると、瓦礫の小山の向こうに角張った影が現れ、間も無くそれは多連たれんトレーラータイプの武装トラックに姿を変えた。

 タイヤ周りや運転席に防弾板を装着した牽引車の後ろには六両の武装が施されたコンテナの載った荷台が連結され、その上では発条ばね動力のもり撃ち機が栄輔達に狙いを定めていた。

 武装トラックはあっという間に轟号に並列走行する形になり、荷台の武装コンテナの中から次々と略奪者りゃくだつしゃが上がってくるのが見えるまでになった。

 栄輔は武装トラックの目論見が分かった時点で有脚作業車の動向監視を雀に任せ、まず武装トラックを仕留める事を優先しようと決めた。

 轟号の後方を見遣みやると、第二機銃座の杵と臼も新たな敵にそれぞれの武器を向けていた。第一機銃座からは分かりにくかったが、他の機銃座もそうしているだろうと栄輔は考えた。

 機銃はすぐ武装トラックに向ける事ができたが、砲塔をほぼ反対側に向けていた火砲車はそうもいかず、すぐに見える第一火砲車では今もじれったいほどゆっくりと、だが必死に七五ななじゅうごミリ砲が旋回しているのが見えた。

 最早火砲車の準備が完了するのを待っている暇はなかった。

 有脚作業車が現れた時とは逆に最初に機銃が閃いた。轟号と武装トラックの間を火箭が走り、敵車体の脆い部分に当たって点線を穿ち、機銃弾をまともに喰らった略奪者が血煙になって弾け飛んだ。

 狙いを探りながら片目で周囲を見ると、飯炊は初めて会った時嵌めていた連弩れんど付きの手甲てっこうで正確に略奪者を一人一人正確に射抜き、見張り櫓のゴーグルは長銃から赤い照準線しょうじゅんせんを出して略奪者を仕留め、雀は連装ばら撒き銃で何人かづつ略奪者を倒していた。

 栄輔も危害範囲を2に落とし、目玉型めだまがた照準器しょうじゅんきに手近な略奪者を捉え、引き金を引いた。粒子力線銃の照射を受けた略奪者は、当たった部分が黒く焦げた骨を残して蒸発、ある者は消えた腕を押さえてのた打ち回り、ある者は両足を失くして崩れ落ち、またある者は全身が焼けてその場で骨の山になった。

 何照射かは車体にも命中したが、所詮は携行火器に毛が生えた程度の銃という事なのか、コンテナに風穴かざあなを開けただけで、速度が落ちたりという事には全くならなかった。

 やはり機銃だけで戦うには如何いかんせん敵の数が多過ぎた。

 火砲車が鍵を握るのだろうが、ちらりと第一火砲車を見ると生憎砲塔はまだ旋回中だった。

 轟号の攻撃は武装トラックに撤退させる程の損害は与えられなかったようで、遂に銛撃ち機からワイヤーロープ付きの銛が放たれた。

 第一貨物車にも並行していた荷台から銛が撃ち込まれ、モドリの付いた銛は屋根に引っ掻き傷を作りながら食い込んだ。

 その中の一本は栄輔の頭上を越えて背後の防弾囲いに引っ掛かった。栄輔自身はすぐに身をかわしたので銛が刺さるなどと言った最悪の事態は免れたが、武装トラックが防弾囲いを引き剥がそうとワイヤーロープを巻き取りにかかった。

 すぐに雀が反応した。腰のホルスターからあの剣鉈けんなたが引き抜かれ、青い光がひらめいたかと思うと、ワイヤーロープが切れて勢いよく巻き取られていった。すかさず栄輔は防弾囲いに綺麗な断面と共に残った部分を取り除くと、そのまま轟号から遥か遠くに投げ捨てた。

 だが第一貨物車にはまだ六、七本のワイヤーロープが残り、有脚作業車からの銃撃が始まったのも相まって取り除くのは難しくなった。

 そして武装トラックからは栄輔の見立て通り、ワイヤーロープを伝って略奪者達が轟号に迫って来た。大部分は手持ちの近距離戦闘用の武器を持っており、数は少ないが火薬銃や電気銃を持っている者もいた。

 ここで栄輔はどうやってワイヤーロープを切るかよりも、一人でも多くの略奪者を倒し轟号に寄せ付けないようにしようと考えを新たにした。

 粒子力線銃の調定を変更している程の猶予は無いようだった。

 先程の設定のまま銛撃ち機辺りに狙いを定め、目に付くワイヤーロープに掴まろうとしている略奪者からどんどん撃ち殺していった。

 何度か光線がワイヤーロープに当たったが、何らかの光学兵器こうがくへいき対抗処置たいこうしょちが施されているようで、乱反射して上手く焼き切る事は出来なかった。

 他の第一貨物車要員も略奪者を轟号には入れないと銃撃に参加したが、敵は死体を踏み越えるように次々と現れ、遂に第一貨物車からの銃撃が止んだ一瞬の隙を突いて数人の略奪者が屋根に辿り着いた。忽ち雀達が反応し、白兵戦に縺れ込んだ。

 栄輔は引き続き略奪者を撃ちながら、視界の端で轟号後方を睨む雀の方を見た。

 まず雀は屋根の端に掴まっていた手を左ブーツのかかとで思い切り踏みつけた。手首の骨を砕かれたその略奪者は、短い悲鳴を残して手を放し、すぐに下で何かが潰れる音がした。

 続いて正面から突っ込んでくる相手が着ている防禦服の首元、本体と裾付きメットの僅かな隙間に剣鉈を振るい寸分の狂いもなく切り込み、芸術的な真一文字で首を切り落とした。

 その勢いに振り向く運動を加味して大きく切り上げ、大槌おおづちを振りかぶっていた略奪者の両腕を一太刀で切り落とした。

 最後は姿勢を低くして真後ろに居た略奪者の脚を連装ばら撒き銃の台尻で払い、頭に馬乗りになって背中に剣鉈を突き刺した。

 ここまでほんの数秒しか掛からなかった。

 そこでふと栄輔は背後に危険が迫る気配を感じた。それが何なのか見極める前に雀に警告の声を上げた。

「雀!」

「分かってる」

 栄輔が防弾囲いの中に身を屈めると同時に車体を叩く軽い音が聞こえ、気配の正体は有脚作業車の攻撃の前触れだったという事を理解した。

 銃撃が始まってから一拍遅れて何か重い物を捨てながら雀が防弾囲いの中に転がり込んで来た。どうやら死体を盾代わりに使ったようだった。

 敵の機銃をやり過ごしている間、栄輔はふと疑問に思ったことを口にした。

「なんであいつらは線路を狙ったりこっちを脱線させようとしないんだろう」

「おれは略奪なんてやったことは無いから絶対にこうだとは言えないが、脱線させないのは積み荷をあまり散らばらせたくないからだろうな。線路を狙わないのは壊したら暫く列車が走らなくなるから、長い目で見たら損になるからだろう。奴ら略奪者にしてはかなり頭が良い方だな。そうなると運転手を殺して止める気なんだろうが、中にはいれてないだけ失敗だな」

 雀が早口で説明した。

 それからすぐに銃撃は止んだ。栄輔は立ち上がって粒子力線銃を構え直し、雀は防弾囲いから飛び出した。

 砲撃はまだかと轟号の後方を見ると、第二機銃座の辺りから第一火砲車の前半分にかけて大量の略奪者が集まっていて、杵と臼、飯炊の三人が必死に応戦していた。

 第一火砲車の七五ななじゅうごミリ砲は完全に武装トラックに向けられていたが、下手に撃てば略奪者に当たって武装トラックに命中しないどころか轟号に被害が出る可能性がある為、撃てずにいるようだった。

「援護してくる。危なくなったら退避しろ」

「ああ、行ってくれ」

 雀はすぐに第一機銃座を離れ、第一貨物車後方に突っ走って行くと、黒山の人だかりに滑り込みを掛けながら続け様に五人を切り付けた。

 第一機銃座に残された栄輔は粒子力線銃と共に武装トラックの方に向き直った。丁度すぐ側のワイヤーロープから四人の略奪者が屋根に上がって来た所だった。

 栄輔は無言で腰の折り畳み警杖けいじょうを伸ばした。左から来た一人目の足を警杖で払い、正面から来た二人目は粒子力線銃を突き出して銃身の先で股間を強打し、右から来た三人目と四人目は其々銃身の横で脇腹を殴り警杖で鳩尾みぞおちを突いてやった。

 最後に駄目押しとばかりに粒子力線銃をぐるりと振り回すと、四人は皆てんでばらばらの部分を骨にして焼け死んだ。

 特に悲惨だったのは二人目で、のけ反ったところを顔をかすめる形で光線に当たったせいで、まるで頭蓋骨の面を被っているような有り様だった。

 第一機銃座周辺の戦いが一段落してから轟号の後方を見ると、略奪者達が火砲車の砲塔にしがみ付こうとしているのが見えた。

 その中でも一際必死にしがみ付こうとしていたのは、冗談のように巨大なヤットコを持った略奪者だった。どうやら砲身を潰して撃てなくしてしまおうという魂胆のようだった。

 栄輔も火砲車防衛に加わりたかったが、ただでさえ第一機銃座の周囲にも少ないがまだ略奪者が居るせいでそれらの相手をしなければならず、火砲車の方も大量に居るせいで、下手に撃てば光線が味方に当たってしまう可能性があった。

 近くの略奪者に警杖と銃身で応戦しながら片目で第一火砲車を見守っていると、臼が火砲車に助走をつけて飛び移り、ヤットコ持ちから武器を取り上げた。

 轟号側に大物の武器が渡った事を切っ掛けにたちまち反撃が始まった。

 その中でも一際激しく戦っていたのはやはり臼だった。

 ヤットコを振り回して略奪者の背骨を砕き、胴体を掴んで下へ投げ落とし、裾付きメットごと頭を挟み砕いた。

 その間に第一火砲車の七五ミリ砲は最終修正を済ませ、臼が第二機銃座の防弾囲いに飛び込むと同時に満を持して発射した。

 まず前部砲塔が砲撃を放ち、更に後部砲塔が倣った。第二、第三火砲車も続き、武装トラックから次々と火の手が上がった。

 ある荷台はコンテナに大穴が空き、ある荷台は横転して切り離されるのが栄輔が居る機銃座からも見えた。

 第一貨物車にワイヤーアンカーを撃ち込んでいた荷台も慌てて巻き取り機からワイヤーを切り離し、遂に武装トラックは轟号との戦いから命からがら逃げだした。

 だがまだ屋根には武装トラックから移ってきた略奪者が幾人も残っていた。また、有脚作業車も無傷のまま轟号と並走しつつ銃撃を加えていた。

 その時飯炊が反撃前よりも減ってはいたが未だに略奪者が群れる第二機銃座から離脱すると、雀と共に第一機銃座に駆け込んで来た。

「栄輔も気付いているだろうけど、右後輪に何か挟まったらしい。敵が少ないこっちから入って様子を見てくるから援護してくれ」

 そう言いながら飯炊は轟号の進行方向を前として右後方を指差した。確かに金属質の何かを引きずっているような甲高い擦過音さっかおんが聞こえた。

 栄輔が頷いたところで、丁度また有脚作業車の銃撃が始まった。栄輔・雀・飯炊の三人は防弾囲いの中で銃撃をやり過ごすと、すぐに連装ばら撒き銃と粒子力線銃で丸蓋近くの略奪者を一人づつ倒した。

 飯炊はその一瞬を突いて丸蓋を開け、するりと貨物車の中に入り、内側からロックを掛けた。第一貨物車の屋根には二組の機銃座要員が残された。

 一方味方を撃破された有脚作業車も蛇行機動に入りそのまま離脱するかと思われたが、突如喧しい駆動音がした。車体前方に象の鼻のように付いたアームの先の、あの噛み切りバケットを振り上げ、轟号に直接攻撃を仕掛ける気のようだった。

 すぐに見張り櫓のアーチの向こうで、九九とニ四が反応した。

 二人の手は既に左後頭部に掛けられていて、何時いつでも戦闘モードに入れる体勢だった。

 有脚作業車は六節アームを轟号の方に曲げると噛み切りバケットを開き、相手と上手く速度を同期させながら一気に突っ込んで来た。

 同時に九九とニ四が走り出し、スイッチを入れた。

 一瞬二人の身体の輪郭が揺らいだかと思うと、忽ち露出している肌が髪の毛と同じ色の毛に覆われ、盛り上がった筋肉でレザースーツがはち切れんばかりに膨れ上がった。脚も通常モードより速くなったが、それでも轟号への被害を食い止める事は出来なかった。

 最初に犠牲になったのはゴーグルのいる見張り櫓だった。

 櫓を構成する鉄パイプは頑丈に組み合わさって電気溶接されていたが、それでも噛み切りバケットと比べれば鉄パイプは遥かに細かった。

 噛み切りバケットがぶつかっただけで鉄パイプはあっさり千切れ飛び、進行方向を前として櫓左側の主脚二本が見事に抉り取られた。

 バランスを崩した見張り櫓も左側に大きく傾いた。釣られて轟号全体が横転するのも時間の問題だった。

 続いて狙われたのは栄輔達のいる第一機銃座だった。

 大きく開かれた噛み切りバケットは内側に甲竜の牙のように奥へ向かって釘が植えられ、一度挟まれれば防禦服を着ていても只で済みそうには無かった。

 だがそこで九九がどうにか追いついた。両腕を大きく広げ、噛み切りバケットの内側で突っ張らせ、釘が掌に刺さるのも物ともせず受け止めた。

「ニ四!」

 九九が水の中で喋っているようなごろごろした声で叫んだ。それに応えニ四が六節アームの上に飛び乗った。

 常人の栄輔から見れば綱渡りの綱と変わらない細さのアームの上を一気に駆け抜け、付け根の少し手前で見えない何かに手を掛けた。

 指先に草刈鎌のような黒光りする大きな爪が現れ、粒子防壁に食い込むと、青紫色の稲妻が散った。

 どうやらニ四の爪は粒子防壁を突破する為の反粒子加工が施されているようだった。

 そこから一番近い機銃座の略奪者が相手に銃口を向けたが、機銃弾が放たれる前にニ四は粒子防壁の隙間に身を捻じ込み、見事有脚作業車への突入を成功させた。

 忽ち殺戮が始まった。

 まず六節アームの制御盤に取り付いていた略奪者の頭を背骨ごと引き抜いた。

 続いて同時に襲いかかってきた轟号側とは反対の機銃座の三人を貫手でまとめて串刺しにした。

 ついさっき二四を狙おうとしていた略奪者は素手で車体の屋根に頭を叩き付け、裾付きメットごと粉砕した。

 二番目の機銃座で何か武器を取り出そうともたついていた略奪者は首根っこを掴み高らかに掲げ上げると、頭頂部から順に粒子防壁に削られていった。

 車内から頭だけを出して様子を窺っていた略奪者は担ぎ上げて頭が足に着くほどの角度まで圧し折った。

 最後の一人の機銃手は逃げ出そうとしたのを両肩を掴んで持ち上げ、真っ二つに引き裂いた。

 屋根の略奪者を粗方片づけた所でニ四は、有脚作業車の尾部にあった二本のアンテナが付いた箱のような装置を引き剥がし、一緒に出てきた配線を強引に引き千切って屋根の外に投げ捨てた。

 すると有脚作業車の周りで陽炎かげろうのような揺らめきが起こり、栄輔はニ四が粒子防壁の発生装置を破壊したことを知った。

 それを待っていたように傾いた見張り櫓の上でゴーグルが長銃で支柱を叩き鳴らす音が聞こえた。

 櫓の方を見ると、ゴーグルが轟号に残っている右側二本の主脚の内、前部機関車前方に付いている方に掴まって滑り下りようとしている所だった。

 すぐに栄輔はゴーグルを狙って狩猟銃を向けていた略奪者を撃ち殺した。

 根元まで辿り着いたゴーグルは銃身の下部に付いていた電動鎖鋸くさりのこを回し、下りて来るのに使った主脚を鎖鋸に掛けた。

 鎖鋸は本来は金属に使う為の物ではないようで、一瞬もたついたがその後はすんなりと主脚は鎖鋸を通し、赤い火花を散らしてぷっつり切れた。

 そのまま見張り櫓は自重で最後まで残っていた一本が音を立てて千切れ、六節アームを九九に掴まれて思うように動けない有脚作業車に向けて倒れていった。

 一連の様子を見ていたニ四は有脚作業車から大ジャンプで離脱し、前部貨物車の屋根に見事な五点着地を決めた。

 激しく叩きつけられた見張り櫓は、六本脚の怪物の上部構造物をべこべこに押し潰した。

 それが反撃の合図だった。

 絶叫と共に九九の脇腹から大量の蒸気が噴き出し、レザースーツの金属製の留め具が伸び切る程に盛り上がった。

 そのまま噛み切りバケットをハンドルを回すように捻って粘土の様にじ切ると、一旦肩に担ぎ勢いをつけて有脚作業車に投げ付けた。

 続いて各機銃座と各砲塔から一斉に砲銃撃が始まった。栄輔も粒子力線銃の調整ツマミを両方とも10に設定し粒子充填完了を待った。

 その間に真っ赤な破線と火球は有脚作業車に次々と襲い掛かり、機銃座を吹き飛ばし、車体の装甲板を食い破った。

 あっという間に走っているのが不思議な姿にまでなったが、それでも有脚作業車はまだ走り続けていた。

 決め手になったのは粒子力線銃だった。

 栄輔は目玉型照準器を有脚作業車にぴたりと合わせ、粒子貯蔵量が緑になると同時に銃の引き金を引いた。

 途端に銃身よりも遥かに太い青白い光線が放たれ、第一貨物車の屋根に焦げ跡を残しながら、有脚作業車に襲いかかった。

 光線が次第に収縮していき、やがて細い直線になって消えた時、そこに有脚作業車が居たことを示す面影はただ六本の足だった棒だけになっていた。

 こうして轟号は荒野の戦いを制したのだった。

 轟号の進行方向を見ると、密林帯を出た時は朧気にしか見えなかった建造物群は目と鼻の先まで迫り、その中でも一際高く、菌糸雲を貫かんばかりに伸びた一本の塔が、栄輔の目を惹いた。

 ようやく轟号が野衾市へと入ろうとしているのだ。

 屋根のあちこちで歓声が上がり、栄輔も徐々に力が抜けていき、ほんのりと温かい粒子力線銃に突っ伏した。

 だが息を吐いたのも束の間、栄輔の視界の隅で人型の何かが動いた。前部機関車と第一貨物車の間から出て来たその手には、冷たく銀色に光る物が握られていた。

 それが刀を手に突進する略奪者の生き残りだと栄輔が気付いた時にはもう、避けられない距離まで接近されていた。

 調整人間の九九なら何とかできただろうが、その九九は相当消耗しているようで、噛み切りバケットを受け止めたその場にぐったりと蹲っていた。

 最早これまでという事なのかと思うと、栄輔は自分でも不思議な程あっけらかんとした気分で目前に迫る銀色の死を見据える事が出来た。

 しかし次の瞬間、栄輔と略奪者の間にもう一つの人影が立ち塞がった。略奪者の刀はその人間を刺し貫いた。

 どすっという肉に刃が刺さる鈍い音と、かはっという口から息が抜ける軽い音が聞こえた。

 栄輔の代わりに刺突を受けたのは雀だった。鮮やかな青の防禦服の腹から刀の切先が突き出し、赤黒い血がにじみ出した。

 そこから暫く栄輔はひどくゆっくりと時間が流れているように感じた。

 雀は裾付きメットの覗き窓越しに栄輔と目を合わせると、左手で銃身を持ち連装ばら撒き銃を栄輔の方に差し出した。

 栄輔が右手で銃把を握ると、雀はまるでそうなると確信していたように連装ばら撒き銃を手放した。

 刀が抜き取られるのに合わせて崩れ落ちる雀の身体を左腕で抱き留め、右腕を突き出して略奪者の裾付きメットに銃口を押し付け、栄輔は引き金を引いた。

 盛大な発火炎と共に12番弾が放たれ、裾付きメットの覗き窓を突き破り、略奪者の頭部を粉砕、血と肉と骨と脳漿とその他様々なその人間の頭部だった物体の混合液を覗き窓の跡から噴き出させ、首から下は大の字になって倒れた。

 そこで栄輔は我に返った。知らぬ間に呼吸は荒くなり、心臓が喉から飛び出そうなほど脈打っていた。

 腕の中に力なく身を預ける雀の重さと、傷口から流れ続ける血のぬめりに、すぐに自分がやるべき事を理解した。

 雀の身体を左肩に担ぎ、第一貨物車の中への丸蓋を開き、殆ど飛び降りるように梯子を下りた。

 雀が使っているロッカーにその体をそっともたれ掛からせ、迷わず有線電話の送受話器を取った。

 一度呼び出し音が鳴っただけで反応があった。

「こちら前部機関車。何があった?」

 応対したのは錆目だった。

「錆目!僕だ。栄輔だ!雀が!雀が!」

「落ち着け栄輔。雀に何があった?」

「略奪者に刺されたんだ!血がたくさん出てる!早くしないと!」

「分かった。すぐに医療に理解のある乗員を向かわせる。受話器を置いて待ってろ」

「頼む」

 錆目の言う通り送受話器を置いた所で、背後からごぼごぼと苦しげに咳き込む音が聞こえた。

 見るとそこには裾付きメットを脱いだ雀の姿があった。その口から滝のように血が流れ落ちていた。

 こういう時、栄輔はどうすれば良いのか全く知らなかった。

「栄……輔……じゃな……ビー……ム……」

 そこでまた新しい血を吐いた。

「雀、大丈夫だ。今助けを呼んだから」

 雀は首を横に振った。もう間に合わないと言いたげな表情だった。

「お前に……最後に……伝え……たい事が……ある」

 雀の目は焦点が合っていなかった。言葉を発するだけでも残された命をひどく消耗するようだった。

「喋っちゃダメだ」

「いや……どう……してもだ……」

 まるで纏わりつこうとする死を振り払うように体を揺すり、続けた。

「ハナ……それが……おれの……本当の……名前……ひどい……もんだろ」

 嘲るように口角を釣り上げる雀の手を握り、今度は栄輔が首を振った。

「いい名前だよ。少なくとも僕はそう思う」

「そう……か……よかっ……た……」

 雀の顔に一瞬穏やかな笑みが浮かぶと、その手は栄輔の手の中から滑り落ち、その体はロッカーの扉に血の跡を残しながら横に倒れた。

「雀……雀!ハナ……ハナ!」

 床に広がる血溜りの中で、栄輔は文字通り血塗れになりながら、何度も体を揺さぶり名前を呼び続けたが、もう二度とその体が動く事は無かった。

 しまいには栄輔はもう呼びかける事を諦め、ただ冷たくなっていく身体を抱き締めるばかりになった。

 轟号の風を切る音が低くなり、建物の間に入った事を告げていた。

 栄輔の心にはぽっかりと雀の、ハナの形をした穴が開いていた。


(つづく)

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