第309話
夕食前に父上が帰ってきた。昨日の夜は遅かったようだが、今日は早いな。
「おージジイ、元気そうじゃねーか。」
「お前こそ立派になりおって。あの悪たれボウズが……一人前になりおって!」
あっ、父上がすごく嬉しそうだ。
「この子達を見れば分かる。お前は立派な親になったのだな。ワシは嬉しいぞ。」
「ジジイ……」
父上が感極まってる……
私も嬉しい……
母上もウルッときている。
「さあさあ飲みましょう。久しぶりの再会に乾杯しましょう!」
そこからパーティーが始まった。
私とキアラは隅で食事をしている。大人達はかなり飲んでいる。父上は相当嬉しそうだ。
母上も奥様と話が弾んでいるようだ。マリーもその間をテキパキと給仕している。
先生も嬉しそうだ。アランアランと目を細めている。
「よしジジイ! 風呂に入るぜ! 背中を流してやる!」
「おう! 贅沢な風呂を作りよって!」
二人は風呂に入っていった。師弟の絆を感じるな。
「でなぁ先生はなぁあたしに言ったんだよぅ。」
「ええ、ええ、そうなんですか。羨ましいですわ。うちのアランだってすごいんですわよ?」
「聞きたいなぁイザベル様ぁ。アランさんは渋くてカッコいいよなぁ。あたしだって先生がいなければクラッと来たかもしんねぇよぅ。」
「そうでしょそうでしょ。アランは最高なんですのよ。」
こっちは母上のノロケか。父上はモテモテだな。
あっ、父上達が出てきた。
次は母上達が入るのか。なら私とキアラはその次だな。と思っていたらキアラが眠そうだ。ならば、
「母上ー、キアラも入れてあげてー。」
風呂に突入だ。どさくさに紛れて奥様の裸体を見てやった。役得だ。
ふう。父上達は場所を移して飲んでいるようだ。またマリーと風呂に入りたいが、さすがに昨日の今日で言い出せない。
大人しく一人で入ろう。
いやこんな気分の時は外だ。空中露天風呂だ。
ホットミルクを用意して久々の鉄湯船を出す。外ではコーちゃんが銀湯船に悠々と浮いている。
私が外に出るとコーちゃんはピュイピュイと声をかけてくれた。よし、行くぞ。首輪は外さない!
きつい!
全然ゆっくりできない!
家の屋根程度の高さでもう限界が来そうだ。
無理だ、降りよう。
ふう、大惨事にならなくてよかった。まあ首輪ありでここまで浮かせただけでも良しとしよう。
銀湯船の隣に下ろしてコーちゃんと戯れよう。コーちゃんはいつも可愛いなぁ。星空が綺麗だなぁ。ホットミルクが美味しい。
星空を見て思いついた。
別にマリーでなくてもプロのお姉さんがいるではないか。私の童貞はアレクに捧げたいが、それまで違う方法で遊ぶのはアリだろうか……ナシだな。さすがにこの歳から娼館通いなんかしたくないな。
時々マリーが気まぐれを起こしてくれることぐらい期待してもいいかな。
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