第260話

校長先生が、

「狼のアンデッドですね。噛まれないように注意してください。」


「押忍!」


アドバイスをしてくれるとは嬉しい。


「ちょうど五匹だし、一人一匹ね。」


私は虎徹を構え、スティード君は剣を抜く。三人は杖を構えている。


私とスティード君が両端を一匹ずつ仕留める。ゾンビなんて頭をカチ割れば終わりだ。

アレクも疲れた体を引きずって真ん中のゾンビ狼の頭を叩き潰す。

サンドラちゃんとセルジュ君は少し苦戦している。噛み付き攻撃に対して杖を噛ませて持ちこたえている状態だ。これだと体力勝負になってしまい不利そうだな。

私とスティード君はその二匹を後ろから仕留めた。動かないから楽勝だったが……

たったこれだけなのに、どっと疲れてしまった。また休憩しなければ。


「校長先生、普段ならこんな死体は焼くか埋めるかですよね? 今日はどうしたらいいですか?」


「好きにしていいですよ。どんな行動を取ろうとも全て評定となります。」


なるほど。優しくないか。


「よし、穴を掘ろう。それとも誰か燃やせる方法がある?」


「ないわね。それとカース君、スティード君助かったわ。ありがとう。」


「助かったよ。二人とも凄かったね! ありがとう! どうやって掘ろうか?」


「すごく嫌だけど、剣や杖でザクザクいくしかないかな?」


そう言って私は虎徹を地面にザクザク突き刺し見本を見せる。スコップが欲しい……

全員で輪になりザクザクザクザク地道に穴を掘る。土を穴から出すのも一苦労だ。完全に埋まるような大穴は諦めよう。


わすが五匹の魔物を埋めるのに三十分もかかってしまった。


「予想以上に時間がかかってしまったね。次からはもう放っておくしかないね。」


やはりみんなバテバテだ。穴掘りってスコップを使っても疲れるんだよな。


残り半分も来ていないのに、心が折れそうだ……

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