第242話

週末、私はファトナトゥールに来ている。

サウザンドミヅチの皮を手に入れたので、新しい服を作ってもらうのだ。


ちなみに買取価格は予想を下回る金貨二百七十枚。

蒸し焼きにしたため血が全く取れなかったのだ。それでも皮や目玉や骨などでその金額となった。

ちなみに血があれば金貨五百枚を超えていたらしい。


「またまたウエストコート、トラウザーズ、コートをお願いできますか? 魔石はこれです。」


そう言って私はサウザンドミヅチ、グランサンドワーム、エビルパイソンロードの魔石を出す。


「やりますねー。これならバッチリねー。自動修復、サイズ自動調節、温度調節、各種機能を付けられるのねー。基本サイズは前回いただいたので仮縫いは一回でいいよー。どうせサイズ自動調節があるしねー。」


「ついでなんですが、エビルパイソンロードの皮って何かいい使い道はありますか?」


「それはもちろんコートねー。でも坊ちゃんはサウザンドミヅチのコートを作るよねー。そうなると品質的に劣るコートを作っても意味ないよねー。お洒落目的で作るのならアリだけどー。」


なるほど。確かにそうだ。





あっ! いいアイデアを思いついた。


「こんなデザインで色は真っ黒、襟をこうしてボタンはこんな感じでお願いできますか?」


「いいよー。変わったデザインねー。首元が苦しそうだけどいいのねー?」


「ええ、こんな感じで三着お願いします。」


もちろんシャツの汗排出機能もしっかりお願いしておいた。トラウザーズにも付けられるらしい。トラウザーズは膝から汗を蒸発させるらしい。

合計でいくらか聞いたけど覚えていない。大した金額ではなかったようだ。


この服だけで一生暮らしていけるのではないか?

街でも魔境でも通用する服って便利でいいよなー。完成は一ヶ月後、仮縫いは二週間後、本当に楽しみだ。

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