第33話 カース、四歳になる

「そうかそうか。もうカースは魔力量がすごいのか。えらいぞ。

こりゃ将来は近衛騎士か宮廷魔導士か、楽しみなことだな。」


「もう貴方ったら気が早いわ。そんなのカースちゃん次第だわ。

明日からは魔法制御なの。楽しみね。」


今日もご馳走を前に両親が親バカっぷりを発揮している。


「えへへ、頑張るよ。

何になるかは分からないけどね。」


「いいのよ、そんなの慌てなくても。

ゆっくり考えましょうね。」


「ところでエリはどうなんだ? 厳しくやってるんだろう?」


「やってるわよ。母上は本当に厳しいから大変。きっと合格できるんじゃないかしら。」


「ふふっエリったら。錬魔循環もいい感じだし、悪くないわよ。

魔力量はまだまだだからこれからも地道に増やしていきなさい。

でも魔力制御に発動速度はすごいわ。」


「ほほう、すごいじゃないか。さすがイザベルが教えてるだけあるな。

私も嬉しいよイザベル。」


「あなた……照れるわ。エリが努力してるだけよ。才能はあなた似なのよ。」


だから私の誕生日会じゃないんかい!

隙あらばイチャイチャしやがって!


「姉上はやっぱりすごいんだね。

僕は今日初めて水滴みなしずくを使ったんだけど、本当に水滴すいてきだったよ……」


「何あんた、もう水滴みなしずく使えるの!?」


「いや、確かに水は出たけど、ポタッ……ポタッって感じで……」


「それで十分よ! 私だって初めての水滴は学校に行き出してからよ。一年の中頃だったわ。」


「やっぱりカースはすごいなー。僕もがんばろう。」


「あんたもそればっかりね。家事の腕はすごいと思うけどさ。」


両親があの調子なので、兄弟仲良く話が弾んだ。

姉上ももうすぐ領都に行ってしまうのか。

段々と家が広くなるな。

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