第7話 難しくて読めない話

 以前、なろうしていた掲載したファンタジー「砂漠に降る銀の月」というものは、集英社オレンジ文庫に応募した作品です。

 当時、自信満々で投稿しましたが、1次にもひっかかりませんでした(笑)

 そのことはいいのです。目が覚めました。


 かの出版社は、希望すれば書評がもらえます。

 頂いた評価は、数字とコメント。コメントでは「文章能力は文句なし。ですが、文章が硬く感情移入ができない」というものでした。


(文章能力は5段階評価の5でした)


 ええ、こんなので文章能力高いと思われるの!? と思ったのと同時に、書評は適当なあしらいに感じたのです。


 この話、ツッコミどころ満載と自分でも思いました。


 字数制限があったので、キャラの性格の書き込みが足りない、ヒロインもヒーローも感情移入できない。謎解きが無理矢理のこじつけ、など。でも突っ込んだらきりがないので、そんなふうに書かれたのだろうな、と。


 最近になって思いました、それってまずライトノベルで一番優先されることなんだと。


 つまり読みやすい、入り込みやすい、サクサク読める文章、ライトノベルに求めて重要視されるのは“そこ”じゃなのかと。


 いくら後に面白くなるとしても、最初に入り込みにくい硬い文章は、読者をつかめない。


 出版社の方が落とした話をどこまで読むかはわかりません。全部読むとも思えない。ある程度読んでみて、入り込めない、読者受けしないと思ったらそこまでじゃないのかなと。


 他のエッセイにも書きましたがこのWEB小説を書いている間(2019年)に、頭の手術をしました。(このエッセイのかき直しの2023年も手術しましたが)


 吐き気などが出る部位ではなく、数日後には自由に動けるしスマホもOKになり、早速、WEBで読書をしようとしましたが、難しくて全然読めない。


 スマホの画面の小ささや、モニターの明るさが辛いというのもありました(今も辛いです)。

 でも難しかったのは、ファンタジーのオリジナル設定の難解さ。


 もともとは、小難しい書き込まれた文章量の多いファンタジー大好きです。


 でも、術後はファンタジーが一番難しくて、1話どころか、10行程度で根をあげて、閉じました。

 1話目、いきなり会話で始まり、イベントや戦闘場面で、状況説明はのちほどの話。

 私もそのパターンで書くの好きですけど、術後は「あ、わからん」でした。


 それ以上に、最初から説明が満載の話も根をあげました。


 有名な小野不由美先生の十二国記という話があります。令和元年に18年ぶりに新刊4冊が出ましたね。また村が死んでいる、というナウシカの冒頭のような悲惨な展開。4巻の最後の方でようやく光が見えてくる。もちろん面白かったのですが、とにかく難しい。「これ小野不由美だから読めるよね」と姉が言っていました。面白い、と信じている有名作家でなければ編集者も作者も読めない!

 

 それ以上に難しいのが、エッセイでした。

 作者がなにを言いたいのか、読み取れない、理解できない!


 書き手というのは、ただでさえ周りくどいもの。

 私もこのエッセイで、難しくてなに言いたいかわかんない、となろうでコメントをもらったことがあります。そのコメントの気持ちを、手術後の脳みそで理解しました。


 今の私は、ある程度小説も読めるようになりました。ですが、あのときの脳で「読めない話」というのを理解できるようになりました。

 

 ちなみに、自分の1番の代表作の小説はオリジナル設定ゴリゴリのファンタジー(異世界)。読んでいただいた読者さまに、感謝です。 




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