Dサーガ
free style
純白王国攻防編
第001話 登場
『世界は我が手中にあり』
名も分からない樹木や見た事のない草々が鬱蒼と生い茂る
彼らは人類未踏の地であるこの
「散開せよっ!!」
その塊の正体は
一般的な家屋5軒ほどの大きな体躯で全体的には爬虫類の容姿であるが、赤茶色の硬い鱗に覆われており、その巨躯と独特な鱗だけで十分な威圧感を有していた。更に大きな2本の角を有する頭部は燃える様な赤い目と大きく裂けた口があり、その口からは無数の鋭い牙が生えていた。長い首と尾には鱗質のたてがみが無数にあり、尾の先には大きく鋭利な牙が2本生えていた。4本の脚でしっかりと大地を捉え、凄まじい迫力でその眼光を向けてきており、いつでも襲い掛かれる体勢であるのが見て取れた。
縄張りに侵入した愚かな下等生物に対する怒りとどの程度の能力を持っているのかを推し量るかのように
凄まじい迫力の
その様子を察したかのように
それが攻撃の前触れであると察した時、固まっていた思考と身体への神経伝達経路が突如として復活した。『ここで死んでしまっては全てが滅ぶ』その思いがよぎった時、
全身が包み終わったとほぼ同時に灼熱の火焔が飛んできたのが分かった。その凄まじい勢いは身体を後ろではなく真上に押し上げ、数秒宙を舞った後で、黒く焼け焦げた地面に身体を叩きつけた。魔法の布のおかげで非常に軽度の火傷で済んだようだったが、受け身を取れる状態ではないにもかかわらず運良く背中から落ちていた。しかし、その衝撃で呼吸をする事ができず体勢を立て直すことなど到底出来そうもなかった。先程火焔から身を守ってくれたマントは既にボロボロに焼失しており、もはや身を護る術はなかった。
大地を背にして見える視界は身体を打ち付けた衝撃でぼやけているが、空が突き抜けるほど綺麗な青色である事だけは分かった。『これが最期に見る景色か…』無念の極みの境地に全身の力がなくなっていくのを感じていた。
「俺の庭で何をしている」
その声に心臓が止まるかと思うほど驚かされ、声のした方向にぼやけている視界のまま視線を送った。そこに誰かが立っているのが分かった。そしてそれが誰であるかも分かっていた。
『私はこの男に会うためにここに来たのだ』
不思議な事にその存在を認知した瞬間から全身より抜けていた力がみなぎってくるのが分かり、剣を杖代わりにしながらではあるが体勢を立て直す事ができた。そして大きな声で叫んでいた。
「あなたはっ、レヴィスター・ガイクス!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます