雑貨屋-03

Iris

第1話:桃の話

また機関から護衛の依頼だった。


今回は調査員に指定された場所に集合して・・・そこにいたのは調査員の女性と格闘家の女性、なぜか雑貨屋のオーナーがいた


オーナー「あら、またお会いしましたね」

調査員「お知り合いでしたか」

オーナー「はい、何度か」

調査員「では、参りましょう説明は移動中に」


馬車に乗り込み移動を始める、内容は北の街に資料と物資を取りに行く間の護衛。北の町までは半日、到着する頃には夕方になるので一泊して戻ってくる日程だそうで


調査員「何もなければ移動して終わりですね」

私「そう願います・・・ところでオーナーは?」

オーナー「ん?私は今回は資料と物資の確認のお手伝いと雑貨の調達」

私「なるほど」


調査員「街の周辺にオーガ(鬼)が出没するらしいのでその時はお願いしますね」

オーナー「あなたなら護衛無しでも自分でなんとかしそうだけれど」

調査員「そうしてもいいですがそのあとの仕事に支障がでますからね」

格闘家「?」

オーナー「彼女、強いから」

私「そんなふうには見えませんが・・・」

オーナー「ま、特殊だからね」


調査員「そういえば、北の街は今の時期だと桃がおいしいらしいですね」


格闘家「桃と鬼ですか・・・東の果ての島国の童話がありましたね」

(ヨーロッパの地図では日本は左の端にあるかないかの扱い)


調査員「ああ、大きな桃が川に流れて来てそれを拾ったおばあさんが家に持ち帰ったら中から赤ん坊がでてくるとか」

格闘家「はい、たぶんそれですね、その赤ん坊が成長すると鬼退治に行くといいだして、イヌ、サル、キジを連れて鬼を退治して帰ってくるとか」

オーナー「なんだか流れ者に親切にしたらお礼に邪魔者を消してくれた・・・そんな感じ?」

調査員「救世主が現れて助けてくれる・・・他力本願なお話ですね」

私「子供の頃にききたくないお話ですね」


格闘家「まあ、この話の時代は60才が寿命で50才くらいで老人だとすると赤ん坊が育つまで老夫婦が生きているのか問題があるんですよね」

調査員「その時代だと成人は15才くらいかしらね・・・それでも合わないか」


オーナー「その話って確か川で拾った桃を食べた老夫婦が若返って子供をつくったのが原型だったきがする」


格闘家「なるほど、それなら計算はあいますね50才から30才まで若返って子供をつくって、15才まで育っても45才なら子育てもできるか」

私「・・・若返ってしますかね?気持ち悪くないですか?」

捜査員「どうかしら・・・暇ならしてみるのかもね」

オーナー「でも、女性側の生殖器官の機能が失われた状態で若返る・・・か、時間が戻らないとムリかもしれませんね・・・」

格闘家「時間ですか」

調査員「それで記憶がなくなっていたらなんでもありかもね」

私「・・・色々気持ち悪い話になってません?」

オーナー「きっと桃農家が桃の宣伝ようにつくった話ね」

格闘家「・・・そうでしょうか」


私「生まれてきた子供に鬼が退治できる力があるとも思えませんね」

格闘家「そうですね」

オーナー「だから、桃の力はすごいってことよ、遺伝子まで変わるって」

調査員「ふざけすぎ」

オーナー「へへへ」


私「連れて行ったのが、ケルベロス、ヌエ、グリフォンならわかりますけど」

格闘家「召喚師でも難しい気がするけれど」

オーナー「動物ではなくて人の名前だったとかね」


捜査員「でも、その子は鬼を退治したのですよね・・・」

格闘家「複数いたとしたら虐殺でしょうか?」

オーナー「辺境の島国だと病気に医療が追いつかない時代があったから、病人を邪気に取りつかれた鬼として殺していた話もあるそうね・・・」

私「・・・怖い話ですね」


オーナー「あ、つきましたね」

調査員「さてと、仕事しましょうかね」


そして今回も移動しただけで護衛は終了。

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