かわいい妹のかわいい友達に妹さんをくださいとか言われたんだが?
キンキ先輩
第1話 妹が友達を連れてきた
秋の日の夕方、俺がいつものようにバイトから帰ってくると家の中にはいつもの倍の”かわいい”があった。まあ倍と言っても1人が2人になっただけの話なのだけれども。要するにそこには我が愛すべき家族であり、たったひとりのかわいい妹の
「オっ、お嬢さん。ハジメマシテェ、おっおお茶ッしませんか?」
なんて不審者がナンパをしているみたいな発言をしてしまった。だがお嬢さんはほんの少しだけ困った顔をした後すぐにニコッと、可愛らしく、それはそれは可愛らしく笑って、
「ええ。お茶にしましょう。」
と言った。俺はこのかわいらしい顔と物腰でこのお嬢さんに惚れた。一目惚れというやつだ。それはそれとして俺たち3人は自己紹介がてらお茶にすることにした。
麦茶を一杯飲んで落ち着いた後(無難に麦茶を出した、麦茶はすべてを解決してくれる。緊張さえも。)会話を切り出した。
「俺は
「私は
「
みやび、みやびか。名は体を表わすとはよく言ったもので、お嬢さんにふさわしい名前をしている。
「そんな、お嬢さんだなんて何回も。そんな呼び方よしてください。緊張してしまいます。みやびで結構です。」
みやびさんは頬を赤くして言った。
「それではみやびさんと。みやびさん、」
俺がそう言い終わらないうちに小春が口を挟んできた。
「ねえお兄ちゃん?みやびはあたしの同級生だよ?お兄ちゃんより年下だよ?なんで敬語なの?あ、もしかして色目使ってるの〜?」
げ、ばれたか。
「ま、まさか、そんなわけ、ないだろ。い、いくらみやびさんがお綺麗でも、そ、そういうわけじゃ、ないんだって。」
「ほら、やっぱりそうなんじゃん。まあ確かに学年の男子もみーんなみやびにクギヅケだけど。でもみやびには好きな人いるんだよね〜」
小春がそう言うとみやびさんは少し困った顔をして笑った。
「小春、そういうことは俺みたいな他人がいる前で話すもんじゃない。みやびさんも困るんじゃないか。」
「いいえ、お気になさらず。」
みやびさんはそう言っていたずらに笑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます