雑貨屋-01
Iris
第1話:依頼
仕事の依頼人からこの手紙を持ってこの雑貨屋に行くように言われた。
お店に入ったら店員の女の子が出迎えてくれた。
「いらっしゃいませ」
客は他にいないようだった。
私は手紙を取り出して店員に渡した。
「はい、オーナーは奥におりますのでこちらにどうぞ」
そういって歩き出した彼女の後を追う。
奥のデスクでうつむいている女性が・・・寝ている
「オーナー、お客様ですよ」
「・・・あ?あぁ・・・これは失礼」
伸びをしながらあやまっている。
「こちらを」
店員が手紙を渡す。
「ん?」
首をかしげながら引き出しからペーパーナイフを取り出し手紙を開けて中を読み始めた。
「なるほどね・・・」
手紙を読み終えて、こちらを向いたその女性の青い目は笑っていた。
手紙の内容はこうだった
先月、この町から馬車で2日、山道を半日行った所に洞窟のような遺跡を発見した。
派遣された調査隊は
学者:4名
護衛(傭兵):4名
輸送(救護):4名
計:12人
6日後に戻って来たのは5人
学者:1名
輸送(救護):4名
戻った学者の話によると
洞窟に入って少し進むと地下に降りる構造になっていて、降り始めてすぐに一番前の傭兵が炎に襲われて爆発。
傭兵4人と学者1人は爆発に巻き込まれて、学者3人は意識を失って倒れた。
本人は一番後ろを歩いており、爆発音を聞いて来た輸送班に助けられた。
他の7人に生命反応は無く撤退。
新たに調査隊を編成して調査に向かう為に傭兵の私が依頼を受けた。
依頼人は国の調査機関
オーナー「さて、君はどう考える?」
私「はぁ?」
オーナー「生きているうちに頭を使った方がいいですよ」
私「・・・調査機関の話だと、魔導士か何かに奇襲を受けた可能性があると」
オーナー「はぁ?」
私「火炎、爆発、失神ですからね」
オーナー「そう、前回の傭兵の腕前はきいていますか?」
私「かなりランクが高かったようです」
オーナー「ん・・・そっか、そこはケチってないか・・・」
私「今回の傭兵の方も同じランクで集めています、不意打ちを受けなければなんとかなるかと・・・」
オーナー「そっか、じゃぁ戦闘の心配はいらないかな、相手がアンデッドでも大丈夫?」
私「今回はその対策で1人魔導士が雇われています」
オーナー「じゃぁね、君は洞窟に入る時、まず何をする?」
私「・・・何をですか?」
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