KAC1~10なんとか繋げて仕上がるか実験
ぴおに
第1話 KAC1 切り札はフクロウ
カランコロン
私は一人、いつものbarへ入った。
すると
カウンターに肘をつき
タバコをくゆらせる男が一人。
頭にフクロウが乗っている。
男はなに食わぬ顔で
切れ長の鋭い瞳でこちらを見つめている。
私は後退り、店を出ようとする。
マスターが目配せをして、一番遠い席へ促す。
首を横に振り、拒否するが
マスターは「大丈夫、大丈夫」と口パクで促す。
仕方なくそっと腰かけるが
男から目が逸らせない。
「やぁ」男が言った。
『ほー』フクロウが片方の翼を広げて挨拶した。
私は我慢出来なかった。
「ぶわーーーーーっはっはっはっひーーーーーっふがっ」
ブタ鼻と同時に私は椅子から転げ落ちた。
チビりそうなぐらい笑った。
こいつは一体誰なんだ?
なぜ頭にフクロウが乗っているのか?
人間とフクロウなのか?それともフクロウが人間に寄生している?ヤツが喋るとフクロウが動く仕組みなのか?とにかく面白すぎるけどあんまり仲良くなりたくない。
カランコロン
もう一人、客がやってきた。
ソイツも同じように固まり、後退りする。
マスターが口パクで着席を促す。
私もアイコンタクトを取り、頷く。
仕方なく隅の席に座る。
「やぁ」
アイツが声を掛ける。
フクロウが翼を上げて挨拶する。
「ぶわーーーーーっはっはっはっひーーーーーっふがっ」
私とソイツは椅子から落ちた。
やっと一つの大きな仕事が終わり、今日はゆっくり飲めるといつものBarへやって来たが、まさかこんなシュチュエーションに見舞われるとは思いもよらなかった。
これではゆっくり飲めないな。
私はこの一杯を飲んだらすぐに出ようと決めていた。
カランコロン
女が一人入ってきた。
これはどうなるか?
やはり、ヤツを見て固まっている。
「やぁ」
「あら、素敵。隣いいかしら?」
何?
見えないのか?あのフクロウが見えないのか?
「可愛い!この子、お名前は?」
「トリ」
「シンプルでいい名前ね」
見えてる……
なのにいい感じ…
私はスマホを取りだし、「フクロウ」で検索した。おびただしい数の画像、アイドルやモデルがこぞって頭にフクロウを乗せている。
私が知らない間に、世の中が変わってしまっていた。いつの間に……
フクロウは今やデキル男のステータス。
年収よりも、肩書きよりも、フクロウ。
フクロウがいないと女性に相手にされないらしい。
フクロウってどこにいるんだ?
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