好きとか嫌いとか
うさ猫Alice
第1話
「ちょっとこっちに来い、神奈川天音!」
名前を呼ばれて、反射的に振り返る。するとそこには、あまり話したことのない男子生徒が立っていた。
名前は、確か華東 優樹(かとう ゆうき)君。不良グループに入ってるって噂もあって、私の苦手なタイプだ。見た目は、イケメンではあるんだけど。そんな華東君が、私になんの用?
言われた通り近づくと、廊下の死角にぐいっと引き込まれて、口を塞がれた。何、なんなの、私になんの恨みがあるの!?
なんて思っていると、廊下の方から、
「どっちに行ったー?」
「こっちにはいないわよ」
という声が聞こえた。一体どういうこと?
私が不思議に思っているのを察したのか、華東君はぱっと手を離して、さっきのは追手だと小声で教えてくれた。追手、ねぇ…。もしかして、華東君ファンクラブの人達かも。いつも、華東君と話したがってるし。そう伝えると、そんな変なもんが出来てんのか…と呟いていた。
まぁ何やかんやあったけど次は移動教室だと伝えると、じゃあまた後で教室に行くと言って解放してくれた。案外悪い人ではないのかもしれない。できれば、教室以外がよかったけど。でも逆らえる雰囲気ではなかったのでこくりと頷いてその場を去った。
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