第6話
想像したら恐ろしいが、浩行は可笑しそうに笑った。
「そっちだったらいいよ。楽しそうじゃん」
……懲りてない。
呆れる俺を眺め遣って、「そうだ」と浩行は声をあげた。
「今日行った映画館で、あれやってたんだ。お前が観たいって言ってた映画。時間確認してきたから、明日一緒に行こうぜ」
楽しげに言う友人に「だから、フラれる原因はそこだって」と突っ込んでやりたかったが、やめた。
俺達はきっと、2人でいる限り女とは長続きしない。
だが、溜まったものを吐き出すために、これからも女と『付き合っては別れ』を繰り返すのだろう。
一瞬、浩行を抱く自分を想像しかけて、慌てて頭を振った。
女の魅力に気付くのが早いか、過ちに陥るのが早いか……。
そんなに遠くないだろう未来の過ちに、俺はゴクリと唾を飲み込み、渇いた咽喉をビールで潤した。
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