詩集みたいなもの

小春

1


少女が一人、座っている。


薄汚れたこの地球に、少女は生きている。

親に産んでもらい養ってもらっている。


少女の意思ではない、親の意思で

少女は親に生かされている。


この世に生まれたのも今生きているのも

少女の意思ではない。


それでも少女は少女の意思で生きている。


死ぬのが怖いという

儚く脆い意思で生きている。


少女は、ゆっくりと立ち上がった。

儚く脆い意思は消え去り、

少女は自らの意思で

ナイフを手に取った。


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詩集みたいなもの 小春 @milmerk-euph

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