第13話

 母は哭き、悪し事並べて我為すと

 指差し喚きふと手をあげる。

 その果て散るは一雫、深藍冷めた、氷の目

 愛想つかせどその呪縛、母棄て給うな、身に響く声


 己の物を棄てられて、は泣く瞳しとどに濡らし

 然りとて云う、我がものは、みな我楽多と、何故置くと

 それは不条理、余りにも

 何故持つひとでものどもの、あたい変わるか我は判らぬ



歯に響く、身体裂く音ぶつぶつと

爪の端に、ふつり湧く赤きらきらと

落ちるくれないまなこに痛く

散った鉄錆、に甘く

じくりと刺したその痛み、ぱっと頭を冴えさせて

気付けば水底みなそこ戻るなど、できぬ場所へといざなわれ

赤に魅入られ、指絡め

今日も今日とて赤啜る


かかさまは、ててさま怨み呪詛を吐く

その血絶えよと我が目の前で


かのものは、そなた冷し我に言う

我は思えりその身、かえれと

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