第9話
【寒さの戻り】
煌々と照る街灯の青白さ
月影隠し夜を昼と為す
ひとかけら溶けた氷の冷たさや
目覚まし問うた今は何時かと
ゆうらりと燻る紫煙は密やかに
彼の手を引いて共に溺るる
ひんやりと澄んだ空気は凛然と
息吸うものに冬の香与ふ
鉛色鈍い空色その下で
伸びた指先未だ寝し桜花
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