第4話

「雨止みましたかね〜! アーお腹が空いて空いて。

今日は、夜唐揚げ食べたいな」

るり子の声にハッと思考を遮られ、寄子はそそくさと帰り支度を始めた。

「お疲れ様でした〜〜!」

「おぅ お疲れ〜」

ふと見上げると、空がほんのりピンクに染まって、なんとも美しいグラデーションになっていた。

(はあ、今日は肉じゃがにしようかな。)

寄子は、あまり感じた事のないような期待と不安の入り混じったような不思議な感情に戸惑いながら、家路へと急いだ。


「ただいま〜」

誰もいないシーンとした部屋。

寄子は帰宅すると、必ず80年代後半に人気だったハードボイルドアニメのエンディングテーマをかけることにしていた。 寂しさ漂う空間がひととき、パッと明るくなる気がするのだ。

勢いのあるキャッチーなサビの部分に合わせて、自作の面白いダンスをする日もあった。

(こんな一面があるって皆に知られたらしいビックリするわね 笑)

そう思いつつ、こういう自分の一面も寄子は好きだったのだ。

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