弟1話 恐怖

産まれてすぐは可愛がられていたと思う。始めての子どもで、女の子だ。

 女の子なのにモヒカンにさせされ、次の日に風邪を引き坊主にされるなどはあったが可愛がられてた。

  

 数年後、弟が生れた。弟は可愛くて一生懸命自分なりに面倒を見ていたと思う。

 しかし、弟が大きくなるに嫌な部分などが増えていく。

 

 弟が2才の時室内用の鉄棒から弟を突き落としてしまった。今、考えれば小さい鉄棒だったが、相手は2歳児だ。そうとう、怖かっただろう。弟に怪我はなかったが、泣きながら親のところに行き告げ口をしたらしい。当たり前だ。

 ここで、父が怖い人物なのがやっと分かった。

 父が部屋から私のもとに来て 

 「弟のこと鉄棒から落としたんだって?」

 言い訳なんて聞く耳を持たず。

 私の服をつかみ背中から持上げ父の腰の辺りまで上げられそれをきなり離して床に落とす。

 

 185cm位はある身長。その腰の高さは尋常じゃない位高く感じられる。落とされる瞬間は思考が停止し、何が起こったかが理解出来ないまま地面に叩きつけられる。

 床に落ちたあとはすぐは息が出来ない。そして、30秒もたたないうちにからだ全身が痛くて、息が出来なくて、苦しくて、訳がわからない状況になる。

 そんな中で涙ができてもっと苦しくなる。

 

 苦しい、助けて、息が。こんなことをずっと思っていると。

 母が来て

 「何泣いてるの」

 冷たい目線でこっちを見る。

 これを言われると泣きながらでも

 「なんでもない」

 としか言えなくなる。

 

 それでも苦しい。そんなことを思いながら泣いていると背が痛くてたまらなくなった。タンクトップ一枚で横になりながら畳の上で何時間も泣いていたから床擦れが起きたのだ。

 

 顔は涙で大変なことに、背中は痛い。それにまだ、苦しい気がする。

 

 でも、そんなことを言ったら怒られるんじゃないかと思っていた。

 

 しかし、背中の痛さの限界が来た。

 

 「ママ、背中が痛い」

 「うゎ、床擦れになってる。あんなこでいつまでも泣いてるからでしょ」

 

 ここで怒られたことにショックをうけた。

 

 パパは怖いことするし、ママにはなぜか怒られる。

 

 怖いし、訳がわからない。いくら泣いても枯れなかった涙が今でも心を苦しめる。

 

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