第95話 新入学…… (8)

 う~ん、でもさ、わざわざ起立迄して謝罪をした和だけれど。今はどんな日かを思い出して欲しい。


 だって今日は、生徒や保護者達にしてみたら一生一度の入学式であり。和のように二度目ではないのだよ。


 それに担任の八重田香里先生のことも思い出してやるといい。


 彼女にしてみたら、中学生の教師になって始めてのクラスの担任の受け持ち……。


 そして生徒や父兄への初挨拶の日でもあるから、彼女は大変に緊張をしているのだよ。


 それなのに和が、彼女の挨拶の最中に声を大にして絶叫──!


 まあ、絶叫を上げるだけならいいのだが、何故か、担任である自分に謝罪をするために起立──!


 そして礼をしながら『すいませんでした』と、謝罪を告げてくるものだから。


 この若い女性の先生は大変に困惑……。


 そして動揺を隠せない声色で。


「そ、そうだったのですか? 大田君……」


 と、彼に告げる。



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