第44話 俺は他界しちゃった~ (7)

 だから和の家の方の家計も段々と楽になる。


 またそうなれば、和の妻の方も上機嫌となっていったから、二人は昔──。若い頃を思い出したように夫婦仲も良好になったみたいだ。


 う~ん、でもね、やはり彼は和だから、こんな幸せも長くは続かない。


 だって今も言葉を漏らした通りで、彼は和なのだから、良い事は長くは続かず。彼に不幸が舞い降りてきたよ。魔王が舞い降りたように。


 特に和は西日本に在住をしている。それも広島県広島市に。


 そして和が自営業を始めた翌年には『西日本豪雨災害』が起こる。


 まあ、彼の住む家が直接被害に遭った訳ではないのだが。彼が販売の方でお世話になっている地域などが、『西日本豪雨災害』の災害地なってしまった。


 だから彼の販売業の方も暇になってしまい。収入が無い日も続く。


 そうなると住宅ローンの方も遅れ気味……最後は払えなくなる。


 だから毎日のように銀行の方からも入金がないからと、催促の電話が多々かかってくる始末でね。彼等夫婦もここつい最近は、銀行やローン会社などの催促電話や郵便等で、精神的に疲れていた。


 まあ、そういった訳もあるから和の妻が不動産会社に相談──。高価で売れる可能性があるからと、不動産会社の人に言われて販売へと踏み切りたいみたい。


 でも家の所有者である和の許可をとらずに販売をする訳にはいかないから。妻は和へと慌てふためきながら、スマートフォンへと電話をかけてきたみたいなのだ。


 でッ、その後彼の脳裏には、自身の所有する夢のマイホームだった物を『売る? 売らない?』と、いった言葉が駆け巡る。


 でもね、和が抱えるローンの負債は、住宅ローンだけではないからね。


 先程も少しばかり説明をしたけれど、他にも車のローンやここつい最近に使用した商品の代金などで借入をした事業のローン等も多々ある訳なのだ。


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