第18話 プロローグ と、言うよりも? どうしようもない男……(18)

 こんな荒々しい言葉を吐きながら男へと、上司らしい鉄拳制裁を加える。


 それも男と一緒で、ワンツ~と、リズム良く打ち込んでくる。


 刹那──。


 今度は男の表情が痛々しい表情へと変わり──。


「ぐわぁあああっ! い、いてぇえええっ!」


 と、彼から悲痛な叫びが聞こえる。


 そんな男の悲痛な顔と叫びを聞けば、会社の社長等は、自身の口の端をつり上げ、『ニヤ~』と、笑みを浮かべる。大変に嬉しそうにね。


 う~ん、でも男の方は未だ、若々しさも残る現役の青年だから。


 直ぐに自身の顔を軽く振って、気持ちを持ち直すと。


「お、お前ぇえええっ! 爺のくせに、やったなぁあああっ! 覚悟をしろよ。もう許さないからなぁあああっ!」


 やはり先程の社長等と一緒で男の方も相手に対して憤怒しながら怒号を放つのだよ。


 でッ、彼の両手の拳の左から鉄拳が放たれるのだが。


 先程も少しばかり説明をしたと思うのだが、只今男が争いをしている会社の社長なども現役の頃は、地元でも有名なヤンキーさまだから、彼の左の鉄拳を難なく避けてしまう。避けると社長等は、そのまま男の腹部へと、自身の右の鉄拳を打ち込む──。


 刹那──。


 男の口からまた「うぐぐ……」と、悲痛な言葉が漏れる。


 う~ん、でも、男から悲痛な言葉が漏れても会社の社長などは、目上の者に対して敬意を示さない若者は許さない。


 だからそのまま、男の顎へと左の鉄拳──。


 アッパーが入る。入ると男の口から。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る