第9話 おじさんは、お姉さまに助けてもらいました。(2)

「致し方がない~。わらわの可愛い僕(しもべ)、ケルベロスよ~。あの男~。あの爺を助けてやれ~。今直ぐに~」


「グワァ、アアア~。ガァ、アアア~」


「頼むぞ~。ケルベロス~。さぁ~。いけ~。いくのじゃ~。わらわの可愛いケルベロスよ~」


「ガァ、アアア~。ガァ~! ガァ~!」



〈ダッ、ダダダ──〉


 あっ、あれ~? と、いうか? 女性……。



 それも? 大変に若い女性のようだが? 何とも言えない美しく麗しい容姿は置いておいてと……。



 それよりも? あれだよ? あれ? 皆も見て確認をしたと思うのだが?



 この世の物とは思えない生き物、と、いっても?


 ここはあの世、冥界の入り口、黄泉平良坂だからこの世ではなかった。(笑)


 う~ん、でもさ? あの? というか? 今若い女性の嘆願、下知で走り始めた特殊な物、生物……。



 そう、まるで? キメラのような特殊な姿容姿をした恐ろしい生き物なのだが。顔は犬なのか? 狼なのか? それとも? 黒き豹なのか? よくはわからない顔をしているだけではない。


 あの恐ろしいいで立ちの生き物は、頭、顔が、一つの胴体から三つ出ているだけではない。


 あの恐ろしい生き物の尻尾も三つの上に、大蛇の頭と身体をしているのだよ。尻尾がね。


 だからあの恐ろしいいで立ちの生き物は、頭が計六個もある生き物になるのだ。

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