第3話『過去と約束』


アイと出会って1年半、最初はお互いライバル同士だった。アイと出会ったのはボス攻略の時だった。レイドボス、複数のパーティーと戦うボス戦でアサシンは俺とアイだけだった。その時お互い役割が同じになり、どちらがちゃんと出来るか勝負になった。

結果は決着がつかなかった。そのレイドボスに俺らは勝てなかった。

前線で戦ってるタンクがミスって壊滅、俺ら2人は役割をやっていたけど数に負けた。

それからの付き合いだ。何かあると喧嘩をし、2人でお互いにアドバイスし合ったりして競い合った。

それから少しして俺はギルドに入った。【夜の帳】というギルドだ。自由なギルドで俺はその時まったりしたくてそのギルドに入った。

そこでまたアイに出会った。アイも同じギルドに入ったらしく、2人で強くなるために一緒に遊ぶことが増えた。話すのも楽しくて次第に惹かれて行った。それからアイに結婚の申し出をして、アイはそれを受けてくれた。嬉しかった。

それから1年、アイとゲーム内で遊んで、話して楽しかった。お互いリアルのことも話したりして悩みを聞いてもらったりした。


『そういえばもうすぐ結婚して1年になるわね』


『そうだね』


結婚して今週末で1年になる。正確にわかるのはゲームの中の日付に結婚した日付が乗ってるからだ。


『ねぇ、ロータス、私達リアルのことも沢山話したし、仲良くなれたと思うんだ』


『そうだね、俺もアイがいたから、学校も頑張れたし』


『だからさ、リアルでも会ってみないか?』


『え!?』


『お互い何も知らない、そんな状態で会うのは確かに怖いよ、でもな、私は1年間もお前と話してきて、お前なら大丈夫だって思ったんだ。だからどうかな?』


アイからオフ会のお誘いを受けた。俺としては正直嬉しい。アイが俺の事を信頼してくれるのが分かるから、俺もアイに会ってみたいし。


『いいよ、会おうか』


『ほんと!?ありがとう』


アイは喜んでくれた。良かった。


『いつにする?』


『今週末、1周年記念で会おうよ』


『わかった』


会うのは今週末、場所はお互い近かった。同じ街に住んでるとは思わなかったけど、運命を感じた。いや、やっぱなんでもない、今のはくさ過ぎる。

待ち合わせ場所は駅前広場になった。当日は駅前の噴水の前で待ち合わせにした。時間はお昼、12時だ。


俺達はそれだけ決めてゲームをログアウトする。



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