龍と血とセブンソード
@tororosoba
第1話 龍と血
ここは、あるビルの一室。
そこには2人の若者が居た。
1人は肩ぐらいまで伸ばした黒髪に制服といかにも学生という格好の女子。
もう1人は、ボサボサの髪にパーカーと完全にラフな格好の男子だった。
ここまでは、普通の光景に見えるかもしれないが、ひとつだけおかしな
ところがある。それは男子の方が正座をしていることだ。それはまるで
説教をされているような感じである、事実説教をされているのだが。
「龍寺くん、なんで私が怒ってるか分かる?」
その問いに対して俺は、
「今、お前の足を見てるからか?」
そう言った途端に殴られた。
「バカなの!てかそもそも見るな!」
明らかに理不尽である。確かに見ていたが、ジロジロ見ていたわけでもないし
ましてや正座のため必然的に足に目がいってしまうのだ。
「ちょっと、それは理不尽過ぎない?確かにお前の足が綺麗で見とれてたのも本当だけど
まずはじめにお前が正座しろとか言ったのが始まりだろうが!」
と、反論すると、
「いや、その前にあんたが変なヘマしたのが悪いんでしょうが。」
その的確なツッコミにグウと変な音を出してしまった。
「もういい、話が進まないから、じゃあなんでこんなヘマをしたのかなぁ?」
とにかく、お怒りである。そもそも何をしてしまったかと言うと話が長くなるので
割愛させていただく。この世界には、2つの人種がいる。ひとつが、
普通の人類、通称、ノーマルヒューマン、そしてもうひとつが俺たちの様な
特別な力を持つ人類、通称、イレギュレイターと呼ばれている存在である。
なぜ人類が二つに分かれたかと言うと、50年前に人類史上最大規模の災害
が起きた。これを、ワールドロスト、と言う、この災害の後人類は、
悲惨な状況だった。これを最後に人類は分裂してしまった。
そしてこの女子、正確には、渡部綺花というこいつは俺達イレギュレイター
を育成する為の学園に通っている。その学園は大体高校生くらいから
入るはずなのだが、なんだかんだでいま俺、血島 龍寺はこの学園に通えない
理由はただ一つ、この学園は、能力を持っているものしか入れないからだ。
おれは特別な理由があって、能力を行使できない。
「その事は、本当にしょうがないよ。でもそれでもこんなヘマはしないきがすr。」
と言いかけている時に、耳を突き刺すようなアラームが鳴った。
急いでスマホを取り出すと、音声メッセージで、
「近くで、イマジンワールドが展開中、至急市民の避難、現場に急行せよ!」
このメッセージを聞いた途端、
「話は、後、今は行こう。」
と言うので急いで現場に向かう。
この警報は、イレギュレイターの犯罪を確認すると自動で発令され
近くの異端学会や学生に出動要請が来る。
この要請に応えるとそれに見合った報酬がもらえる為学生にするといい
商売になる。しかし相手によっては死者が出る為危険と言えば危険である。
この時は、近くにいたらしくそんな考えをしていると現場に到着した。
そこには何もない、ように見えて実を言うと今絶賛戦闘をしている最中である。
これには、ある術式が使用されており、イマジンワールド、直訳すると
幻想の世界になるがこの術式は、一定範囲内での結界を展開する。
この範囲内では、ビルなどの建造物を崩壊させないようにするだけでなく、
音、視界に映らなくする効果がある。その為警報発動と同時に展開される。
この中で 、そんな悲劇になっていた事も知らず。
私達は、異端学会のプロ集団だ。
今日のこの戦闘もすぐに終わるはずだった。
しかしいくら攻撃しても、効かないのであるこれは消耗戦になると思った。
そのくらいの能力なら、すぐに行使出来なくなるからだ。
それでもいくら攻撃しようが、倒れない。それどころか今度はこっちが
不利になってきた。いま使っている魔導兵装は、自身の魔力を使って
攻撃をしている、その為長期戦には向かないのである。そうこうしているうちに
一人また一人と仲間が倒れていく、それに比べてまだ相手の方は余力があるように見えた。
徐々に自分の体にも異変が起きてきた。マナ切れの予兆である、後数分で自分も倒れるだろう。しかし最後の最後まで抗おうと思った。しかし結局は倒れた。
「畜生、、、」
そう言って、俺の意識は深い闇に落ちていった。
俺の見てる光景は、まさに地獄絵図だった。
イレギュレイターの次に強いはずの異端学会のガードが全滅しているのだ。
そこには、一人の人物が立っていた。フードを被っているため、性別はわからない。
しかし明らかにここにいる誰よりも強い。そう思いそいつに質問する。
「ここにいるガードをやったのはお前か?」
その問いに、答えたそれでも性別は分からないが。
「正直に答えると、私は何もしていない、だが、このガードは私を攻撃していた。」
言うが早いか、俺は素早く相手の懐に入り渾身の一撃を放つ、人間であれば回避できない
攻撃しかし相手は、俺より早く回避し反撃をして来る。その反撃を回避できずにもろに喰らう。
「っ!!」
重い一撃を喰らい派手に飛ばされる。
「龍寺!!」
綺花が、叫び魔術式を展開する。しかし、それよりも速く奴は綺花の背後に移動する。
「させるか!!」
そう叫び俺は自分の手に傷をつける。血が出始めるがそれで良い。
龍血術、初伝ブラッディアームズ自らの血を武器にする術である。
それにより、自分の右手に紅の短剣が出現し、間を挟まず投擲する。
それを奴は、こちらを見ずに2つの指で掴む。
「おっと、危ない危ない。」
と言っているが、余裕がありそうだ。
「凄く重い一撃を喰らわしたはずなのにね。きみ名前は?」
なぜこんな事を聞くのだと思い聴こうとすると、後ろから足音が聞こえた。
近くにいたイレギュレイター及び異端学会だと思う。そうなると自然に答えていた。
「血島、、、血島龍寺。」
そう言うと、奴は、、チシマ、、、血島君かと独り言を呟いて。
「また会おう、血島君、今度は敵ではなく。」
そう言った途端に奴は消えていた。
そうこうしているうちに、学生が沢山来ていた。
「とりあえず、ここを離れましょう。」
そう言っていつのまにかいた綺花が言った。
そして俺たちは、いつものとこで話をしようと思っていた。
この事件が、まさかあんなことになるなんて知らずに。
ここは俺達の行きつけの店である。
ここには俺の知り合いが沢山いる。
「龍ちゃん、また変な事件に顔を突っ込んだの?」
と、俺達のクラスメイトであり、俺のことを知っている。自称情報屋である。
「ちょっと調べて欲しいことがある。」
というと、これまでの子供っぽい雰囲気から急に情報屋の雰囲気になった。
「聞きたいことって何?」
と不敵な笑みを浮かべる。
「実は今日の事件は、すこし不可解なところがあるんだ。」
「どんなところが気になるの?お姉さんに話してみな。」
そう言うので素直に話す。
「お前が知る、情報の中で魔術を無効にする力聞いたことあるか?」
そう言うと、ちょっと待ってろ。と言って急いでスマホをいじる。
「えーと、基本的には見つからないけど、一つだけ気になることがある。
実を言うと最近起こっている事件は、知っているね。」
最近起こっている事件とは、以前に戦った。フード男の事件である。
最初は、ある男の殺害から始まり、その後にも二回殺人事件が起きていた。
「情報によると、その男が、可能性がある。」
その情報だけでもだいぶ助かったので。
「サンキュー、また今度お礼はするよ。」
そう言って出て行こうとした時、
「そう言えば、この事件で少し気になることがあるのだけどね。」
とその言葉に俺の足が止まった。
この途中で事件が始まる。
東京、でのことだった。
「私の名前は、アストラル、世界の再生者である。これから私は世界の再生を始める。
せいぜい逃げ回ってくれ。」
その放送が流れた後、東京エリアは大混乱が起きた。
その中で異端学会所属のイレギュレイターに、任務が発令された。
任務
(アストラルと名乗る、敵の捕獲又は殺害。)
このメールを見て俺は、
「結局こうなるんだな。」
そう言って現場に急いだ。実を言うと相手の位置は、放送の時に逆探知していたらしい。
すぐに見つかった。しかし時すでに遅し、沢山のイレギュレイター達が倒れていた。
そして奴はこちらを向き
「遅かったじゃないか、血島君。」
そいつに俺は、不敵な笑みを浮かべて返す。
「そりゃ悪かったな、その分まとめて返してやるよ!」
そう言って戦いの火蓋は開かれた。
龍と血とセブンソード @tororosoba
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