ブラコン=妹なんてことはない。

@tattitu

第1話



     ある雲一つない快晴の中俺は走っていた。


    「ちょっ!もう勘弁してくれよ!くそっ」


     そう俺は今走っている。なぜ走っているかというと、近所の大型犬の

     尻尾踏んづけて追いかけられているからである。俺犬苦手なのに、

     おっと、言い忘れていたが、俺の名前は神中夏夜。

     近所の進学校に通う平凡な高校生である。


    「はあ、はあもう無理!マジで!」


     俺は必死で走り続けた結果、犬を振り切り、学校に着いた。

     そのまま自分の教室に向かう。


    「あ!おはよー!」


     と、元気よく声をかけてきたのは俺の隣の席の中間雄馬である。


    「ん?ああ、おはよ」


    「何?どしたの?」 


    「朝っぱらから犬に追いかけられてさ」 


    「あちゃー、カミナツ犬苦手だもんな」


    「うん、はあーあ疲れた」


    「いやそれよりさー、今日転校生来るんだって」


    「転校生?」


     そういや今日朝から騒がしいと思いきやそのせいか。


    「このクラス?」


    「いやいや、三年だってさ」


    「ふーん、でも三年で転校って変だな」


     今は五月三日で三年で転校かー、俺だったらいやだな。


    「それがさ、めっちゃ美人で双子らしいぜ」


    「美人で双子?」


    「おう。放課後見に行こうぜ!」


    「断る。俺今日父さんから大事な話がるって」


    「そっか残念」


     その後チャイムが鳴り先生が来たのでその話が終わった。その後も雄馬が

     いろいろ言っていたが、全部上の空だった。そして放課後、雄馬と一緒に

     帰っていると、


    「ほら、あの二人だよ」


     と、玄関からでて歩いていると言われた。


    「何が?」


    「朝話した転校生だよ」


     雄馬が言う方向を見ると、そこには、


    「かわいい」


    「な、言ったろ?」


     黒髪ロングの美女二人が歩いていた。すると、俺達が騒いでいたのに気づいた

     のか、手を振ってきた。


    「え?いま手振った?」


     となりがうるさいが、とにかくかわいかった。

     そんないいことがあって家に着くと、


    「ただいま」


    「おかえりー!」


     やけにハイテンションな父がいた。


    「どうしたん」

     と、靴を脱ぎながら聞くと、


    「ん?言ったろ、話あるって」 


    「それとどうつながんの?」


    「今日俺再婚するんだけど、お前に姉ちゃんできるからよろしく。あと、

     もう来るぞ」


    「は?いやちょっと待って、それって…」


     俺が言い切る前に、玄関のドアが開けられた。


    「「「おじゃましまーす」」」


     後ろから女性の声がしたので振り返ると、そこには、


    「え?先輩?!」


     さっき手を振ってきたあの美人転校生がいた。

     

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