第35話.やっぱりな

ゼドルが消えた。






「ア・・・アレ?アイツは、どこに行った?」






〝ザンッ〟






「いてっ!!!」


「何だ一体!?」






ジャイルはもちろん、ミリカも、ゼドルの仲間達も、皆、驚いている。






「何が起こったんだ!?」






「このヤロー!!」






〝ボコッ〟






「うわっ!!!」






すると、次の瞬間、ゼドルが現れた。






〝シュン〟






「やっぱりな。コレがお前の弱点だったんだ」


「何!?」


「さっき、お前が蚊に刺された時、おかしいと思ったよ。


俺達の魔法を簡単にかわして、一斉にかかっても、全部見切ってしまうお前が、


たかが蚊なんかに刺されて、全く気がつかなかったんだから。


つまり、お前が対応出来るのは、姿が見えている相手だけだ。多分、お前は、


あまりにも目が良過ぎて、人やモノの動きがゆっくりに見えるんだろう。並外れた視覚、


それがお前の特殊能力みたいなモンだ。そうでもなきゃ、俺達の魔法や攻撃を


あの特殊ガムなしで全部見切るなんて出来ないだろう。だから、透明化したんだよ。ちなみに、


透明化すれば、身体だけじゃなく、衣服や武器も、全部透明になる。そんで、


透明になった状態で攻撃したんだ。


いくら動きがゆっくりに見えようが、見えなきゃ意味がないからな」


「くっ!クソ~!!見抜かれてたのか!!」


「ウチにも、特殊能力並みに身体能力が高いヤツがいるんでね!!どうだ?まだやるか?」






ミリカは、(凄い!ゼドルは、本当に凄い!!強いだけじゃなくて、洞察力も鋭くて、頭も良いんだ!!


17歳なのにリーダーをやってる理由が良く解る!!)と思った。






ファンジェスは、


(凄い!!〝透明化〟は、超高等な魔法!!まさか、そんな魔法が使えるなんて!!!さすがウチのリーダー!!!)と思った。

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