手帖に綴るは
吾妻栄子
手帖に綴るは
“たかが女給ぢぁないか。彼は憐れんで笑ふ。女に文學は解らない”
ここまで書いた所で声が掛かる。
「弥生ちゃん、そろそろよ」
「はい」
新しい手帖と鉛筆を仕舞い立ち上がる。
女給のあたしの物語はまだこれからだ。
手帖に綴るは 吾妻栄子 @gaoqiao412
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