退路を待っている
韮崎旭
退路を待っている
退路を待っている
暗い光と正体が時に視野に連合する
往路は腐り落ちる
ほの暗い皮膚の照明に反映する、タイプライターの交差点で
見据えている空白
無機的な哨戒の端々で白鷺が停止する
制止された言動と発露の衝動性の行く末に恣意的にふるまう
回復のない頽落と動揺に
退路は焼け爛れる
その日まもなく、何ともかかわりなく、事実としての投了と生涯。
脂溶性のよい不吉さに、もとめているのか
人間では無ければよかったか、蝉の声と無条件降伏が貼りついて離れない脳裡と
注射針、耽溺、肺を埋める至福と眼福
境界の崩落と自失
捨て去っておきたい将来の人間、人格の不具
私のさび付いた精神の臓器に
賭けた心象は見る果てのない水墨画か栄養的な砂漠に溶ける
退路は待っている
それなのに私は見落とした
故意に
退路を待っている 韮崎旭 @nakaimaizumi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます