2.思い出したら

そして、大学生活も慣れてきた夏の頃、ふと「あの子元気かな」とメールを送ってみる。

しかしそれは戻ってきてしまった。


おかしいな、と思い電話をかけてみる。

返ってきたのは、「この番号は使われていません」の機械的な声だった。


まさか、と思った。

手紙を送る。


…宛所不明で戻ってきた。


あぁ、やってしまった、と後悔だけが残った。

あの頃ゆきは、"病気もあり、家族の機能が上手くいっていなくて"とボヤくこともあったからだった。


嫌な思いが陰を落とした。しかし確かめる術もなく、時間だけがすぎていき、私は初秋に、バイトを始めた。


このバイト先が、運命を変えるとも知らずに。

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