第36話

甘い香りのビスキュイを舌にのせて

噛めば噛むほど官能の渚に近づく

砂糖菓子焦がし懐かしまやかしの灯り

立ち眩む三惑の靄にぼんやりとした不実

艶かしい嗚咽を頼りに足取りは虚ろ

肌に吸いつくヒルはやがて潜り込む

マラルメは牧神の慾情に潜り込む

夜更けるに更なるトリヴィシャにまみれ

来世への標べに惑いて堕ちてゆく

綿の様なめまいにつつまれて

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