第27話.この世界では異質なアーチフィス

「フ~ッ!!」


「なぜ、そんなに慌てているのですか?」


「いや、だって、ずっと普通に姿が見えてる状態のままで


家の中にいられると、何か不安だし、かと言って、


突然、魔法で透明になっても、それはそれで怪しいし、


父さんも母さんも、ビックリしちゃうだろ?」


「不安・・・なぜ不安なのでしょうか?それに、


なぜ、それで驚くのでしょうか?」






アーチフィスは、この世界では


〝他の人は皆、魔法が使えない〟という事も、


そんな〝魔法が使える自分〟がこの世界では


異質である事も、


まだ知らないようだった。






(はぁ・・・アーチフィスって頭良いのに、


〝現実とゲームの違い〟だけは、


まだ理解してないんだな~)






そして、今日もまた、一緒に、歩いて学校へ向かった。






「遊舞さん、今日も、透明になって、あなたのそばにいます」


「ありがとう。じゃあ、頼んだよ」


「はい」






遊舞は、また、アーチフィスを透明にした。






〝シュン〟

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