Treffen
修正しても拭えない会話の違和感、だれか私に国語力を下さい……
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アラフェネに迫り来る砂嵐。
間一髪で、ロンメルの乗る指揮車に入り込んだ2人。
さばくちほーにて砂漠のキツネが対面する。
2人が車内に入り込んだところで、ハッチを閉める。
少量ながら
ハッチを完全に閉めたことにより車内が薄暗くなる。
すぐさま備え付けのランプを点灯させる。
車内がほんの少しだが明るくなる。
ランプの薄明かりに照らされて、2人の少女の全貌が見えてくる。
なんてことだ!
本当に私はおとぎ話の世界にでも来てしまったのか…
そう思わせるほど2人の少女はとても不思議な格好をしていた。
いや、彼女達は人ですらないようだ。
彼女達のドイツでは見ることが無い派手な服装。
別にこういう服なのだと思えばおかしくは無いが、誰がどうみても砂漠で行動する為の服装ではない。
そして、普通では見かけない髪の色合い。
一本の髪に3色も色の変化があるなんて人のそれではないだろう。
他にも色々あるが、何と言っても目立つのが、そう。人には明らかに存在しない動物の耳と尻尾だ。
飾り物のように見えなくもないが、時折、ピクピクと動いており、作り物のそれでは無い、血が通っているのがハッキリとわかる
昔、本で読んだ世界の獣人という種族を現実に体現したらこんな感じだろう。
先程の物音はこの2人が叩いた音らしく、誰かが戻ってきた訳では無かったようだ。
もしかしたら、この世界には私以外の人はいないのだろうか……
ビュービュー
指揮車に風が吹き付ける。
砂は入り込まないが、とてもすごい強風が吹き、車体にぶつかり、大きな音を立てていた。
……
……
しばらくの間、沈黙が流れる。
2人は互いに身を寄せあって、車内後方に座っていた
1分が長く感じる。
時計をみるが、車内に籠ってからまだ数分しか経っていなかった。
こういう時はいやに時間が長く感じられる。
更に砂漠特有の乾燥した空気が場の温度を高める。
が、不思議と喉は渇かなかった……
5分位経過した頃だろうか
「あのー」
先に沈黙を破ったのは彼女達だった。
「助けてくれて、ありがとねー」
「ありがとうございますなのだ!」
片方は飄々とした声で、片方は元気の良い声で、礼を言う。
「何、別に構わないさ。困っている人を助けるのは当たり前の事だからね!」
当然のことだろう。
それに助けることが出来るのに見捨てるのは人道的観点からも良くないだろう。
「それにしても大きな
とりあえず、情報収集も兼ねて、話しをしてみる。
「そうなのだ。あんな大きな砂嵐は初めて見たのだ!」
砂漠ではジブリを見ることは容易で、1日に何度も起こることや数日間、同じ砂嵐が続くことも珍しくない。
自分が戦場に居た時も苦労させられたものだ。
ジブリが起こっている時、無線機はまるで電波妨害でも食らったのかの如く使えなくなることも少なくは無くおまけに、呼吸器系に砂が入り込むと炎症を起こす可能性もある。とにかく厄介な存在なのだ。
先程ハッチを閉める時に見たジブリは、自分が北アフリカに居た時には見たことが無い程大きな、とても珍しいものだった。
下手したら、数日は続くかもしれない。
「私もあれほど大きな
「いつもここにいるんですか?」
耳?の大きな少女が聞いてくる。
「恥ずかしい話だが、さきほど目が覚めたら此処に居たんだ。だから、此処が何処だか全く知らないんだ。」
「おー、ということはこの間の噴火で生まれたばかりなのかな?」
「噴火で生まれた……とはどういうことだ?」
「火山から噴き出したサンドスターっていう物質によってぇ、動物に作用すると私達フレンズが生まれるんだってー。その辺は博士の方が詳しいと思うよー。」
「動物に……ということは君達は元は動物だったのかい?」
「そうだよー。私はフェネックギツネのフレンズさー。フェネックでいいよー。」
「アライグマのアライさんなのだ!」
何てことだ!
いや、想像はしていたが彼女達は元は動物だったそうだ。(フレンズというらしい、英語で友達という意味だったか……)
アライグマというと獰猛な性格で北アメリカやヨーロッパに生息している動物だ。ベルリン動物園で飼育されているのを一度だけ見たことがあり、飼育員がそう説明していたのを思い出す。
しかし、フェネックギツネはあまり聞いたこともない名前だ。キツネという名前がつくからにはキツネの仲間なのだろうが、ベルリン動物園では見たことが無かった。
「きみは何のフレンズなんだい?」
不意にフェネックから自分について問われる。
「私か?私はロンメル。『砂漠のキツネ』と呼ばれた者だよ。」
「ろんめる さんなのだ?砂漠のキツネということは……砂漠に住んでいるって事なのか!フェネックっと同じなのだ!」
「そうなのか?」
「そうだねー。私も砂漠にいた動物なんだよー。今はアライさんに付いているけどねー。」
「つまり、君も『砂漠のキツネ』なのかい?」
「そうだねー。そういうことになるかなー。」
「ははは!驚いた。まさか私の他にも『砂漠のキツネ』がいたとはね!面白い!」
フェネックギツネから『砂漠のキツネ』と呼称された訳では無いだろうが、自分と同じ肩書きを持つ者がいようとは。これは面白い。『砂漠のキツネ』について時間があったら調べてみようか。何か面白そうなことが出てきそうだ。
「君たちはこんな砂漠で何をしていたんだい?」
質問されてばかりだったので、ここぞとばかりに聞くことにする。
「よく聞いてくれたのだ!アライさんは今、パークの危機を救うために帽子泥棒を追っているのだ!」
アライさんが突然、車内で立ち上がる。
「帽子泥棒を?」
「こーんなかたちのでー、羽がついている帽子をーアライさんが拾ったんだけどー」
そう言いながらフェネックが両手を使って形を表す。
どうやら大型の帽子のようだ。
「サンドスターがぶつかったと思ったら突然光だしたのだ!」
「それにビックリしてー、足を滑らせて窪地に落ちちゃったんだよねー。」
「成る程、それで戻ってきた時には帽子は無くなっていたと?」
「そうなのだ!きっと帽子泥棒に盗られたに違いないのだ!」
「そうか……なら、私も泥棒追跡を手伝ってもいいかな?他に行く宛は無さそうだしな。」
それに、私の勘が彼女達に付いていけと言っているような気がしる……
「別に構わないのだ!」
アライさんは直ぐに承諾した。
「んー、別に大丈夫かな。」
フェネックも承諾してくれる。
「ありがとう。助かるよ……」
それから、時が経つのも忘れ、長いこと喋っていた。
私からは彼女達フレンズについて聞き、帽子の追跡方法も聞いた。
逆に彼女達からもこの車両や服装について色々と聞かれる。違う世界から来たことを伏せて大体のことは話した。しかし、それでも多少の違和感は拭えない。
私はこの先どうなるのだろうか?
彼女達に付いていくことで何があるかは私にはわからない。全て結果の予想出来ない博打のような物となって私を悩ませていった……
気が付いたら数時間が経過しており、いつの間にか車両の外からは風の音は聴こえなくなっていた。
ガチャ
ハッチを開ける。
砂嵐は案外早く過ぎ去ったようで、辺りは物音1つすらしない静寂な世界が出来上がっていた。
空は雲一つない快晴で、星が満遍なく輝いていた。
────────────────────────『対面』end
こんにちは1498です。
前回の投稿からメチャメチャ時間が経ってしまいました。誠に申し訳ないです。
理由としましては実生活が多忙になってきたのと、自分の文章力の無さが原因です。
直しても直しても拭えない違和感に日々修正を加えました。まだ、若干違和感は残っていますが、これから修正していきます。
今回のお話において、砂嵐について多数説明書き的なロンメル閣下の経験談的に記述していましたが、現実の砂嵐(砂塵嵐)はこれよりも相当酷かったようです。
(ロンメルの口述を書籍にした『砂漠の狐1941年~1943年』より)
アライグマとフェネックのロンメル閣下の動物説明について。アライグマはヨーロッパにもいる(というよりかは持ち込まれた)ので有名な動物ですが、フェネックギツネは当時、どうであったかわからなかったので、こういった説明になりました。
登場しているロンメル閣下について。
柘植氏の逆撃シリーズを参考にしており、史実と異なり、北アフリカ戦線においてアレクサンドリアやカイロをも1度は占領した。が、ドイツ軍上層部の暴走によって全戦線において崩壊が始まり、最終的にフランス、ノルマンディーで頭部に航空機からの掃射で重症を負う。その後、ヒトラー暗殺計画(ワルキューレ作戦)に関わったとして、家族の名誉の為に自殺をするか軍法会議にかけられるか問われ、家族の名誉の為に自殺を選択する。
自殺後ジャパリパークのさばくちほーに召還される。
記憶はそのままに、年齢は19才にまで若返っているものの、本人は体が軽くなった程度にしか感じていない。
また、本人はジャパリパークのある世界を自分のいた世界と違うと薄々感じており、残した自分の家族がその後、どうなったのか気になっている模様。
アラフェネと出会い、彼女達に付いていけば何かが分かる。そんな気がして付いていくことを決意。一緒に行動することに……
基本的には一期のアラフェネのお話にロンメル閣下を加えるだけで、そこまで見応えのある作品になるかは微妙なものですが、一部の改変や物語進行の変更があるかもしれません。それでも大丈夫な方、ゆっくりしていってください。(中の人が書き貯めとか推敲をあまりしてないのが悪い)
他にも書きたいことは沢山ありますが、今回はこれで
質問、感想、誤字修正、アドバイス等々ありましたら気軽にどうぞ!
5月4日 ロンメル視点の『砂嵐』表記を『ジブリ』に変更。(ジブリ、北アフリカ現地での砂嵐の呼称)
6月15日
後半のごちゃごちゃを少し簡略化。
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