8.9:おまとめおあいそ

 さて、今回も『自動販売機』に『女性向け』『キャラクター指定書の書き方』『アイドル』と様々な題材をもとに、キャラクターデザインについて考えてきました。


 『チーム単位』でキャラデザすることの重要さを何度も確認してきた本連載ですが、実はもう1つ、『チーム単位』でデザインすることで大成功を収めている、最強のエンターテイメントがあります。


 その名も、【東京ディズニーリゾート】。

 この記事を執筆している時はコロナウィルスの影響で、残念ながら臨時休業となっていますが、認知度から考えてもエンタメの王様と表現しても差し支えない存在でしょう。


 東京ディズニーリゾートといえば、ディズニーランドとディズニーシーの2つのテーマパークで構成されていますが、どちらも幾つかのエリアで区切られていることが特徴です。


 ディズニーランドの場合、


・ワールドバザール(1900年代初頭のアメリカの街並み、ショップ)

・アドベンチャーランド(冒険とジャングル)

・ウエスタンランド(西部劇)

・クリッターカントリー(水辺と動物の世界)

・ファンタジーランド(おとぎ話)

・トゥーンタウン(ディズニーキャラの家)

・トゥモローランド(SF)


 とった、7つのエリアがあり、例えば『トゥモローランドの場合』


・アストロブラスター(コミカルなシューティングアトラクション)

・スペースマウンテン(星空が見えるジェットコースター)

・スターツアーズ(SF映画、スターウォーズのライドシミュレーター)

・スティッチエンカウンター(人気キャラ、スティッチと交信・会話する)

・ライド&ゴーシーク!(ライトを当ててモンスターズインクのキャラを見つける)


 などの、SF(サイエンスフィクション)というテーマに沿った、アトラクションが設置されています。(※1)(※2)

 他のエリアも同様で、さらには東京ディズニーシーや、こちらも国内の代表的な遊園地であるユニバーサルスタジオジャパンでも、エリアを幾つかに分けて設けられたテーマに沿ったアトラクションを稼働しています。


 最強のエンタメであるディズニーたちも、グループを作って管理していているわけですね。


 また、連載冒頭で触れたとおり、『ポケモン』『艦これ』『ドラゴンクエスト』『魔法先生ネギま!』といった、数々の著名なアニメ・ゲーム作品でも、キャラクターを単体ではなくグループを作って管理してきました。


 偉大な先代たちは、やはりチームを組ませて魅力的に彩ってきた。

 大勢登場するキャラクターの個性をかぶらせずに、バラバラにプロデュースすれば良いという偏った認識は、本当にここ数年間だけの傾向なのです。


 ソーシャルゲームも含め、今、ゲームアニメなどのエンタメ業界は過渡期にいます。

 そろそろ、キャラクターデザインの本道、王道に戻る時期ではないか。

 そう思っていることをお伝えし、今回の復活連載の〆とさせていただきます。



(※1)

 2020年3月19日現在の運営状況。


(※2)

 『スティッチ』や『モンスターズインク』の原作は、あまりサイエンス要素なし? その分、『キャラと交信する』『ライトを当てる』などのギミックを採用して、SF感を出そうとしているようです。

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