【チームでキャラデザのすすめ】言われてみれば当然だけど、優れたキャラクター設計に必要な工夫を考えてみる

7.5：【共通点が１種類では少ない！】 ３

　ここで、一つ具体的な案をば。

　エルフの姉妹を、登場させる場合で考えてみようと思います。

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●ステップ１　共通点が１つの場合

　共通点１：エルフである（エルフの長い耳）

　エルフといえば、ファンタジー世界でもポピュラーな種族。

　・森にすみ、自然を愛している

　・弓使い

　・精霊に働きかけ、魔法を使う

　・耳がとがっている

　などのエルフとしての特徴が、ゲーマーの必修科目というレベルで、認知されています。

　ここから設定を練れば、いろいろ遊びがききそうですが、あまりに、定番すぎる属性というのも事実。姉妹以外でも、同じエルフ族のキャラが、同コンテンツに出てくる可能性もあります。

　よって、特徴づけとしては、弱いです。

　そこで、もう一つ、特徴を加えます。

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●ステップ２　共通点が２つの場合

　共通点１：エルフである（エルフの長い耳）

　共通点２：全員巨乳である

　冒頭で触れた艦これの例にならって、ここでは、試しに体形的な共通点を加えてみたいと思います。

　姉妹がそろって主人公の前に現れ、みんな巨乳だとしたら、とても、そそるシチュエーション。

　和製ファンタジーのパイオニアである、『ロードス島戦記』(※１)以来、エルフは華奢であるというイメージがあるため、【エルフでも、巨乳】というギャップの面白さも生じます。

　・妹：背が低いけど、ロリ巨乳。さらしを巻いて隠そうとするが隠せていない。

　・姉：包容力を感じさせるオトナの巨乳

　などの個性のバリエーションもつけられるでしょう。

　これで、性的魅力としての共通点としては合格点でしょうか。

　ただ、コンテンツの展開が続けば、姉妹以外でも、もっと巨乳のエルフキャラを出したい需要も出てくるでしょう。

　また、エルフ姉妹それぞれで担当作家が違ったり、髪の色などを変えたりすると、チーム内の統一感が十分とれるかは、筆者の経験上だとやや、疑問が残るところです。

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●ステップ３ａ　共通点が３つ以上の場合（目・髪の色が同じ）

　共通点１：エルフである（エルフの長い耳）

　共通点２：全員巨乳である

　共通点３：髪の色が同じ（シッポや耳の色も含む）

　共通点４：目の色が同じ

　そこで、さらに追加の案を。

　まず、血縁者であることを示す最もポピュラーな方法として、【髪】と【目】の色を、同じにする手法を考えてみましょう。

　著名な例としては、以前取り上げた、ドラクエ４のミネア＆マーニャ姉妹。ラブコメのコミック、To LOVEる。そして、アニメの聖地化の成功例として有名な『らき☆すた』 (※２) (※３)の柊姉妹が挙げられるでしょうか？

・姉の柊かがみは、勝気なツインテール。

・妹の柊つかさは、内気なショートカット。

　と、デザインや性格に違いがあるにもかかわらず、頭髪と目の色を紫色に統一することで、見事に、姉妹（特にこのキャラは双子）であることを、表現しています。

　なお、この手法、目と髪の色の【両方を同じ】にするのが大事です。

　私の経験上、どちらか一方だけだと、役割を果たしません。

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●ステップ３ｂ　共通点が３つ以上の場合（職業をプラス）

　共通点１：エルフである（エルフの長い耳）

　共通点２：全員巨乳である

　共通点３：巫女装束、ガンマン服

　姉妹オンリーワンの特徴をつける方法の１つとして、『エルフに対しては珍しい属性を組み合わせる』というものが考えられます。

　たとえば、洋風のエルフに、和服である【巫女】をマッチングするのはどうでしょうか？

　エルフは、精霊と対話することができ、また、巫女の司る神道では、八百万の自然物すべてに神が宿ると考えられています。

　つまり文化面の性格は、巫女とエルフとで共通しており、相性よし。

　また、日本人は、和洋折衷なごった煮的なファンタジーを好みます。

　さらに、巫女服は視認性が高く、アレンジを加えても巫女さんに見えます。

　姉妹間でデザインを異にしても、ちゃんと、巫女さんに見えるであろう、メリットもあります。

　もしくは、エルフの巨乳【ガンマン】姉妹にするという手も、あります。

　デザイン的には、テンガロンハット、ベストやデニム生地のコスチューム。

　魔法仕掛けの銃などが、共通点となるでしょうか？

　自然の守り手であるエルフに対して、開拓者のイメージが強いガンマンは、まさに異色の組み合わせ。

　エルフの常識に囚われるとは思えず、『お金や報酬にうるさいエルフ』など一度、見ると忘れない、型破りなキャラクター像が期待できます。

　森の住人であるエルフが火器を使う→里の木々が燃えてしまう！　というようなトラブルメーカー的な要素も加えられます。

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●ステップ３ｃ　共通点が３つ以上の場合（さらに共通の服飾）

　共通点１：エルフである（エルフの長い耳）

　共通点２：全員巨乳である

　共通点３：勾玉・鏡などのアクセサリー、巨乳、褐色肌

　最後に、アクセサリーなど細かな共通点をいくつも重ねて、血縁者であることを表現する手法も考えてみましょう。

　エルフの特徴といえば、耳。

　そこで、同じ色形の宝石についたイヤリング。

　首飾り、額飾りなどを装着させるのは、どうでしょう？

　あるいは、『可愛らしい朱色の刺青』や『化粧』など採用できれば、いかにも、シャーマニズム的な要素を強調できます。

　あるいは赤いフカーフを首に任せた上でネクタイのように垂らして、胸の谷間に挟ませると、巨乳姉妹であることを強調できます。

　そのほか、手袋やブーツのデザインを統一するなど、キャラクターの頭から手足の先まで、適所に共通ポイントを配しておけば関係者であることが、一目でわかるようになるでしょう。

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（※１） ロードス島戦記

　水野良氏、著。第１巻は1988年に発行。

　ライトノベルの先駆けともされている。角川書店から発売された、ノベル版の他、アニメ、ゲーム化などが積極的に行われ、メディアミックスの成功列の１つとなった。

　本作に登場するエルフのディードリットは、その後の、和製ファンタジー作品のエルフ像のひな型となる。

（※２）　らき☆すた

　美水かがみ氏による、４コマ漫画。2004年から現在も複数誌で連載中。

　女子高生、女子大生なヒロインたちの、ややアキバ寄りの何気ない日常を描く。2007年に京都アニメーションにより、アニメ化されスマッシュヒットを飛ばした。

(※３) 　聖地化

　アニメの舞台となった場所にファンが訪れ、一種の観光地となること。

　らき☆すたでは、埼玉県の鷲宮神社がそれにあたる。アニメ放送終了から１０年以上経った現在も、埼玉県の防犯ポスターのモチーフに使われるなど、良好な関係が続いている。