【なまめかくし】


【なまめかくし】


ひとりひとり重い思惑に酔り集る烏合の衆

明け透けなくわらう

何を獲るか 借り盗るは側面 貴方と 私と 陽気な朔

からしても 巡り廻る天の采配に右往左往

慰めや偽りを底に浸して実を結ぶは

咲きと続く愛に包まり乍も嘲笑うかの世

伝染る死海に葦を降す終の住処に寄り添い眠れ

拝借した朱糸に酔り晩酌に致す 底には暖かい羽根が舞朽散る

空は唯呑気で偶に疲れたり涙下(した)り祖の雨に現れ

露わとなる本性は皆 よりよくあれ 自ら一等星と想うが

勝手気儘にどうぞ誰が為に 乃ち餓慾で翔けるはじまり

荒れた青海を統べることは無し 魂に海の口が這えるならば懐い思い出は重く

嘘の夜に馴染み点す焔 地肌に身など入りはしない

二層の舟を狂わせ抱く命をめでたく想う

天上を喰らう 彷徨は影と焦げし愛故に方向は定まらず

庇(おお)い尽くして頂けるだけ 目移りす蛾蟲

芳香に酔い痴れ焼かれ 暁光は射し混まれ

本望ならば渡し仕方なく遥か彼方を往く

捻じ曲がる至高 蜃気楼を砕き空蝉は夏に去り生を主張す

喘ぐ微風はしとど 赤子の頃に等し泣き暮れようものが

焚き燻る未だ息吹 何処までも艶めかし

徒惚れと夢幻に ことわり 死と性を感じる婀娜 嘘月

何処にもない私と彼方に








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